きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2017-01-01から1年間の記事一覧

Reve de continuation 16 *追記あり

バラの花びらを両手でそっと掬う。 こんなのはマンガの世界だけだと思ってたけどいるのね、こういうお風呂に入る人って。シャルルならきっと絵になるんだろうけど。 今日はいつものジャグジーのお風呂じゃなくてバラのお風呂だった。無数に散りばめられた花…

Reve de continuation 15

シャルルの部屋は渡り廊下の向こう側、最奥にある。シャルルが倒れやしないかとあたしはハラハラしながら長い廊下を並んで歩いた。 「部屋に着いたらすぐに寝てよ。ダリウスが安静にしてなきゃダメって言ってたんだからね」 「やらなきゃいけないことがいく…

Reve de continuation 14

「シャルルっっ?!」 とっさにアンドリューが倒れ込むシャルルの体を受け止めた。あたしは訳もわからずに立ち尽くしているとジルが駆け寄って来た。アンドリューの腕の中で意識のないシャルルは力なく体を預けている。 「シャルルは頭を撃たれて手術したば…

Reve de continuation 13

☆今回はお話の中で登場人物が体調を崩す場面があります。キャラがそういう目に合うのは見たくないという方は閲覧をお控え下さい。決して重篤なものではありませんが、読者の方の中でそういった事が苦手な方もいるかもしれないので注意書きをさせていただきま…

Reve de continuation 12

名前を呼ばれて尻もちをついたまま顔を上げるとそこには懐かしい顔があった。 「ジルっっ!ジルじゃない!どうしたの?あんたモザンビークに行ってたんじゃないの!?」 ジルはあたしに手を差し出し立ち上がらせてくれると眩しいほどの笑顔をあたしに向けた…

Reve de continuation 11

翌日、午前中の便でパリへと向かった。ドゴール空港へ着いたのは夕方近くだった。タクシーを探してキョロキョロと空港出口を歩いていたけど乗り場には長い列が出来ていてすぐに見つけることができた。 お金の心配はなかった。 なぜなら日本を経つ前にありっ…

Reve de continuation 10

こたつの上に置かれた白い封筒。 手を伸ばし封を開けると中には日付の入っていないパリ行きのチケットとメモが一枚入っていた。 あたしはチケットを置き、そのメモを開いてみた。そこには几帳面な文字でチケットについての説明が書かれていた。 和矢がくれた…

Reve de continuation 9

「マリナ、ごめん……」 和矢は絞り出すようにそう言うとあたしを抱く腕にいっそう力を込め、言葉を続けた。 「お前の気持ちが知りたくて、試すような真似をした。シャルルから電話があったのは本当だ。けど、あいつは家賃のことは知らないって言ってた」 どう…

Reve de continuation 8

何も言えないまま土曜の朝が来た。どちらにしても電話で話すことじゃない。シャルルに会いたいという思いは変わらないけど、すぐにどうこうできるものでもなかった。 だからって和矢とこのまま一緒にいるのも違うと思う。 この数日でわかったことは空港で再…

Reve de continuation 7

その日からあたしはシャルルのことばかり考えるようになっていた。 政治工作のもみ消しと華麗の館から盗まれた何かを取り戻すことができれば再び当主の座に戻れるようにするとルパート大佐は言っていた。 シャルルはちゃんとやれているのだろうか。もしダメ…

Reve de continuation 6

あたしはさっそく実家に電話をかけることにした。この時間はお母さんしかいないはずだわ。万が一お父さんが出たらどうしようかと思いながら呼び出し音を聞いていると、 「はい、池田です」 やはり電話に出たのはお母さんだった。 ホッと胸をなでおろす。家を…

Reve de continuation 5

「払ってたって何を?」 あたしは日本を離れていた間、家賃を払っていなかったのに大家さんに何も言われなかったこと、光熱費のことなんかを話した。 「オレは何も知らないけど家賃なら保証人にでも連絡したんじゃないか?お前ここを借りる時、保証人はどう…

Reve de continuation 4

最初に言い出したのは和矢だった。 『マリナを連れて行けよ』 これはあたし達に別れを告げたシャルルに向けて和矢が言った言葉よ。 でも和矢はそのことを後悔していると言った。 一緒に過ごすうちにあたしはシャルルを好きだと思ったこともあった。それはシ…

Reve de continuation 3

和矢はてっきりバイクで来るって思っていたあたしは長いスライドでこっちに歩いて来る和矢の姿を見つけて少し驚いた。 「わざわざ電車で来たの?」 「バイクだとお前、寒いって文句言いそうだからな」 「そんな言わないわよ。失礼ね!」 「いや、絶対にこん…

Reve de continuation 2

逃亡生活で毎日が緊張の連続だった生活から一転、いつもの生活に戻ったあたしはどこか物足りなさのような物を感じ始めていた。 常にシャルルといたから急に一人になって寂しく感じるのだろうか。 いやいやそんなはずはない。中学卒業してからだってずっと一…

Reve de continuation1

久しぶりのわが家は閉めっきりにしていたせいか、モワッとした空気が漂っていた。窓を開け放ち、新鮮な空気を部屋に取り込んだ。 白だったことを忘れてしまいそうなほど薄灰色になったレースのカーテンがひらりひらりと風に揺れる。 「うっ、寒いっ」 誰に言…

新連載を書くにあたって

みなさん、お久しぶりです そして77777HITを踏んで下さったヒミツ様♡お待たせ致しましたm(_ _)m いよいよ書き始めます❗ 半休止状態から約3週間。 妄想スイッチがポチッと入り、昨日、今日でプロットを仕上げました٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ 途中で心変わりする事も多いので…

あとがき

みなさん、こんばんは! 1月にスタートした「届かぬ想い」も42話にまで膨らみましたが、無事に完結を迎えることができました(๑>◡<๑) 長い間、お付き合い下さりありがとうございました ほんの十数話の予定で始めたこのお話。すべての始まりは【幸せにおなり】…

届かぬ想い42

ふと目を覚ますとすぐ隣でシャルルがあたしを見つめていた。 「おはよう、マリナ」 あたしは贅沢にもシャルルの腕枕でぐっすりと眠っていたらしい。 「おはよう。あんたにしてはずいぶんと早起きね」 時計に目をやるとまだ朝の八時だった。 するとシャルルは…

10万HIT達成のお知らせ

みなさん、こんにちは! 14日の夜に100.000HIT達成することができました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪ ありがとうございました❗ ちょうど10万になった所も見ることができました。 いつもの事ですが見たいですよね?(笑) キリ番を踏んで下さった方からリクエストもいただきました…

届かぬ想い40

シャルルに抱きすくめられ、何も考えられないほどにシャルルを感じた。 長い間、彼女を連想させてきたあの香りさえも愛しく、今はふわりとあたしの鼻孔をくすぐるようだった。 シャルルのシャツの首元に鼻をすりすりと擦り寄せ、あたしはそれを堪能した。 「…

10万HIT感謝企画のお知らせ

みなさん、こんにちは! 今日も関東地方は見事な秋晴れです。日中は気温も上がるようですが、やはり朝晩はだいぶ涼しく、秋らしくなりましたね 気温の変化が激しいせいか、体調を崩されている方を多く見かけますみなさんも風邪など引かないようにどうぞご自…

届かぬ想い39

あたしに近づいて来たってことは最近会った人の中にその人物はいるのよね。 知り合いの顔を順に思い浮かべてみたものの彼女と関係ありそうな人なんてやっぱりいなかった。 「最近、君の周りに現れた人物。そいつは君に近づき、次第に君との間に信頼関係を築…

届かぬ想い38

「その子?何の話をしている?」 あたしは男らしく認めて責任を取るべきよと諭すように話すと呆れてものも言えないとばかりにシャルルは冷やかな視線をあたしに向けた。 「マリナ、君は何を聞いていたんだ? そんなことあるはずないだろう。 オレが愛してい…

届かぬ想い37

愛を注ぎ込むようにシャルルはあたしにキスをした。優しく甘いキスに胸がジンと熱くなる。シャルルはそっと顔を離し、触れるか触れないかの距離でじっとあたしを見つめた。 「マリナ、君の気持ちを聞かせて」 ゆらゆらと揺らめく瞳があたしの想いを求め、甘…

ブログ開設3周年

ーー8月17日ーー 初めて記事を載せたのがちょうど3年前の昨日。 ここまで続けて来られたのはみなさんのおかげです✨ ナイスやコメントは本当に励みになります訪問して下さる方も開設当初に比べるとだいぶ多くなり、続きを楽しみに待っていてくれる方がいると…

届かぬ想い36

シャルルが日本に来たのはあたしに会うためだったんだ。 でもなんで彼女を連れて来たりしたんだろう? そう思った瞬間、嫌な予感がした。 フランスって愛に自由と言うか、寛大な国と言うか。 たしか、シャルルのおじいさんもそういったのことに自由な人だっ…

届かぬ想い35

あたしだけを大切だと言ってくれたシャルルの想いが痛いほど伝わってきて胸がいっぱいになった。 優しく包み込む腕はあたしを愛しいと言い、鍛え上げられた広い胸はあたしを守る、と言ってくれているようだった。 だけど、シャルルの纏っている香りだけが想…

届かぬ想い34

な、なによ、その心の中を解剖って……と一瞬思ったけどすぐにそれが何か分かった。 手術が終わりすべてが上手くいったらきちんと話をしようと言ってたシャルルの言葉を思い出した。 そうだ、まだ色々な事がモヤモヤしたままだ。これまでのシャルルの不可解な…

届かぬ想い33

「おはようございます、マリナさん。ご機嫌はいかがですか?」 ロザリーさんは手にしていた花瓶をテーブルに置くとカーテンを順々に開けていく。朝の光が溢れんばかりに部屋の中に差し込み、あたしは眩しさに手で目を覆った。 「マリナさん、起きて下さい。…