きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2024-01-01から1年間の記事一覧

君と蒼い月を 9

シャルルに送ってもらって、何とか和矢の帰宅前に家に着いた。来週、都内で行われる再生医療に関する研究の講師を務めるために来日したらしい。それまでは大学の研究室で何やらするらしいけど、基本的に午前中は空いていると言っていた。 そしてあたしは現実…

君と蒼い月を 8

「シャル……ル?」 サラリとした白金色の髪、青灰色の瞳、何よりその美貌は紛れもなくシャルルなんだけど、なぜここに? 「お、折れるっ!」 七瀬は額に脂汗を滲ませ、捻られた腕を庇うように押さえている。 「彼女に二度と近づかないと約束しろ」 「わかった…

君と蒼い月を 7

今日は朝から雨が降っていた。バイトが休みでよかったと思いながらのんびり過ごしていると、テーブルの上に置いたままの携帯がブルブルっと振動した。また関係のない何かの通知かな。起き上がるのが億劫でそのまま放置していると、なかなか鳴り止まない。ん…

君と蒼い月を 6

店長に話をしてからの平日は、3時にもなると元々の客数が少ないせいもあって、さっと帰れるようになった。 ただ、週末はそうもいかない。あたしの帰る21時は、汚れた食器は山のようにあるし、新規のお客さんのオーダーは途切れることなく来るし、明日の準備…

君と蒼い月を 5

今回は和矢との大人のシーンを匂わせる場面があります。直接的な描き方はしていませんが、読み進める際はご自身の判断でお願いします。私の作品の中で和矢との絡みは初です…シャルル以外とは無理!と言う方はご注意下さい。 *** 和矢の言葉に茫然とした。…

君と蒼い月を 4

翌日、あたしが起きると和矢の姿はもうなかった。昨夜は会話もないまま、互いに背中を向けて眠った。寂しさと悔しさであたしは毛布の端を握りしめて眠った。今日はバイトは休み。午前中のうちにスーパーに行って材料を買い込み、和矢が早く帰ってきてもいい…

君と蒼い月を 3

あたしは15時までの仕事で、主に野菜を切ったりする仕込みと、皿洗いが中心だった。慣れない作業に、終わる頃にはもうクタクタだった。それでも帰ったら夕食を作らなきゃいけないし、洗濯物だってしまわなきゃいけない。想像していた以上に疲れる。それを思…

君と蒼い月を 2

夕飯には冷蔵庫にあった野菜と少しの豚肉で中華丼と卵スープを作った。家賃も含めて生活費はすべて和矢が出してくれていた。それこそ編集部に行く交通費や原稿用紙代までも。さすがにそのぐらいは自分で出さなきゃと思ってバイトを始めようと思った。和矢は…

君と蒼い月を 1

「すいません。時間なので上がってもいいですか?」 店長は時計をチラッと見ると無表情のままで言った。 「ゴミぐらい捨ててって」 「はい」 あたしは急いで厨房内のごみ箱を交換してごみ庫に捨てに行った。鉄扉を開けると外はムワッと纏わりつくような暑さ…

新年のご挨拶

みなさま、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。いかがお過ごしでしょうか。私は長い間、更新もせず、潜っていました。以前どこかでお知らせしたかと思いますが職場が代わり、バタついておりました。いわゆる異動ですが、やっと一息つくことが…