きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

年末のご挨拶

今年も残りわずかとなりましたね。また一つ歳をとっ…(止めときましょうw) さて、今年は「夢から覚めて」「忘れられないもの」「愛の証50000hit感謝創作」の3作品を完結する事ができました。ありがとうございます。訪問してくださったみなさん、ナイスを押し…

あとがき

みなさん、こんにちは! 最後まで読んでくださって本当にありがとうございました 夏に書き始めた今回のお話も気がつけばもう冬!もっと早く終わらせる予定だったのにずいぶんと時間がかかってしまいました。 今回はマリナちゃんがシャルルを忘れられなくてパ…

愛の証50000hit感謝創作19

当主復権を果たしたオレは歴代の当主が使用したこの部屋を改装し使用している。改装の際に残したのはリビングに置かれていた柱時計だけだ。 紫色を帯びた暗褐色を呈し黒紫色の縞模様をもつローズウッドの柱時計は歴代の当主に受け継がれてきたものだ。 伝統…

愛の証50000hit感謝創作18

手術を終えて部屋に戻るとマリナはオレの帰りをずいぶんと待ち侘びていたのだろう。まるで子犬のように駆け寄ってきた。そんな彼女の行動はオレの独占欲を十分に満足させるものだった。 しかしそれも長くは続かなかった。 「ねぇシャルル、手術はどうだった…

愛の証50000hit感謝創作17

翌日オレは和矢の手術を一時間程で終了させた。思っていた通り肩峰靭帯を無理に繋いだような形跡があった。だが可動域の狭さはそれだけが原因ではないだろう。 すぐに治療を受けなかった事で偽関節が形成されていた。 おそらく痺れ、痛みもあったはずだが長…

愛の証50000hit感謝創作16

「マリナ……疑ったりしてすまない」 その瞬間あたしの心に何かが引っかかった。何だろう……この違和感。 あたしに選択肢をくれただけなのにどうしてシャルルが謝ったりするの? 考えてみればシャルルと和矢の関係が再び動き出した今、あたしと和矢だって顔を合…

愛の証50000hit感謝創作15

「君はこれで良かったのか?」 あたしが何? 突然降って湧いたようなあたしへの質問に訳が分からずにきょとんとしてしまった。 「何のこと?」 あたしが尋ねると苛立たしげにシャルルは言った。 「和矢はオレとの友情を選んだようだがマリナ、君はそれで良か…

愛の証50000hit感謝創作14

和矢は手の甲で口元を拭いながら「痛ぇっ」と小さく吐き捨てるように言って顔を歪めた。それから自分の指先に視線を移すとフッと不適な笑みを浮かべてシャルルに向かってその手を伸ばした。 それは反撃の拳ではなく開かれたままの手だった。 「昔、この木の…

愛の証50000hit感謝創作13

和矢の手が伸びてきてさっと動いた気配がした後、今度は頬を傾けて端正な顔をあたしに近づけてきた。 うわっ!近いっ! いくら昔付き合っていたって言っても和矢レベルの男に顔近づけられたら戸惑うのよ。やめてほしい。つい、ふらふらっとしちゃいそうにな…

愛の証50000hit感謝創作12

お屋敷のちょうど裏手にある庭へ続く遊歩道を並んで歩いた。 「お前なんだか元気ないな。腹でも減ってるのか?」 隣で和矢がからかうように言った。 「そんなんじゃないわよ。パリ・プラージュでいろいろ食べたばっかりだもん」 和矢は小さく笑いながら言っ…

愛の証50000hit感謝創作11

こうして和矢の後ろ姿を見送るのは何年ぶりだろう。うちのアパートの階段を駆け下りて行く姿を何度も見送った事を思い出していた。 パリ・プラージュの会場の人混みの向こうに最初に和矢の姿を見つけたあたしは隣にシャルルがいる事も忘れて思わず立ち止まり…

愛の証50000hit感謝創作10

セーヌ川沿いをしばらく歩いて行くとアルディ家の車が二台、ハザードランプを点けて止まっているのが見えてきた。 あたしと和矢を囲むようにSPの人達が周囲を取り巻き、物々しい雰囲気を辺りに振りまきながら車に近づく。 あたしと和矢、クロードは前の車に…

愛の証50000hit感謝創作9

シャルルが出て行ってからしばらくすると遠くの方から救急車のサイレンの音が聞こえてきた。次第に大きくなるそれは辺りの空気を震わせながらこちらに近づいてくる。テントのすぐ近くでその音はピタリと消え、事故現場が近いことをあたしは確信した。 シャル…

愛の証50000hit感謝創作8

クロードからの連絡を待ちながらオレはパリ・プラージュの会場から一番近いセーヌ沿いの救急病院に車を向かわせた。市内にはいくつか病院はあるがおそらくリッシュ病院だろう。 程なくしてクロードから連絡が入る。やはり思った通りだ。 十五分ほど走ると六…

限定記事について

みなさん、こんにちは! 三連休ですがいかがお過ごしですか? お出かけする方も多いですよね。楽しんで下さいね さて、この三日ほど10代の男の子達がこちらに迷い込んで来ているみたいでアクセス解析を見てビックリHNを使ったタイトル記事が悪かったのか、何…

愛の証50000hit感謝創作7

「和矢っ!クロードを呼んで来い。AEDを持っているはずだ」 和矢は救急車を指差して言った。 「おい、シャルル!クロードを探しに行くよりあれに積んであるやつを使った方が早いんじゃないのか?!」 オレは和矢を振り仰ぎその言葉を否定した。 「それは積ん…

最近の事

みなさん、こんばんは! 朝夕はめっきり涼しくなりましたね。夏の間はキャミと短パンで寝ていた私ですがそろそろTシャツにしないと朝起きた時、体が痛そう(ー ー;) さて、今書いている50000hit感謝創作ですがアプリが終わる9月には終わらせたいと言ってました…

愛の証50000hit感謝創作6

セーヌの水質は以前に比べて格段に良くはなっていたが想像していた以上に藻が生息していてやはり泳ぎにくい。 子供も心配だが救助に向かった人間も大丈夫だろうか。大人と子供、二人を同時に救出するとなるとかなり困難だ。 岸から数メートルの辺りで二人の…

愛の証50000hit感謝創作5

あくまでもシラを切るつもりなら仕方がない。今ここで無理に問い詰めて、今のオレたちの関係が崩れてしまう事をオレは怖れていた。マリナと出会い、オレは自分の弱さを知った。 手放したくはない。その思いだけがオレを支配していた。 「シャルル、どうかし…

愛の証50000hit感謝創作4

テントに向かって歩いていると隣を歩いていたマリナが突然、歩くペースを落とした。 振り返るとマリナは何かに気を取られたように遠くを見ていた。 今度はどんな出店を見つけたのだろうと呆れながらマリナの視線の先を辿った。直後、オレは息を飲んだ。 普段…

愛の証50000hit感謝創作3

「シャルル!すごーいっっ!奥にウッドデッキまであるよ!ねぇ早く出店を見に行こう」 オレの手をすり抜けてマリナは駆け出す。ついさっき離れるなと言ったばかりなのにもうマリナは聞いてない。無邪気にバカンスを楽しむ姿を少し憎らしく思いながら後を追う…

愛の証50000hit感謝創作2

パリ・プラージュの会場は大きく分けて二つある。出店が多いセーヌ川右岸側のジョルジュ・ポンピドゥ道路側に車で向かった。 「人が凄いわね!何だかお祭りに来たみたい」 オレが用意した真っ白なワンピースに身を包み、目を輝かせて窓の外を見つめるマリナ…

愛の証50000hit感謝創作1

みなさん、こんにちは! 日頃の感謝を込めて夏らしい話題を一つ妄想してみました(最初だけだけど) 舞台はパリ。和矢と別れたマリナちゃんがシャルルの元へ来てから二ヶ月が経っているという設定です。 まだ二話までしか書いていないので長編になるのか分かり…

ブログ開設2周年

みなさん、こんにちは! 今月の17日でブログを始めてから2年が経ちました。 ここまで続けて来られたのは訪問してくださるみなさんのおかげです。本当にありがとうございます ナイスやコメントを下さったみなさん、記事を更新した後にこのお知らせが入ってい…

忘れられないもの30最終話

それからしばらく二人でベットに横になったままいろんな話をして過ごした。 「それであんたは何て言ったの?」 ジルが桜を見たいって言っていたって話をしていた時だった。 「シャルル……?」 ふと見上げると長い睫毛は伏せられていていつの間にかシャルルは…

忘れられないもの27

ー翌日ー 「マリナ、早くおいで」 差し出されるシャルルの手に吸い寄せられるようにあたしは手を伸ばした。 こんなに近くで見るのは初めてだし、想像していたよりもずっと大きい機体を見上げているとタラップを上りかけていたシャルルがあたしを振り返ってそ…

忘れられないもの26

「ここは空港内にあるプライベートジェット利用客用のホテルだよ。 オレが別滑走路の手配をするために空港ロビーに向かったところで君を見つけてここまで運んだんだ。 人集りができ始めていて救急車、救急車って声が聞こえてきたんだ。だけどこの東京国際空…

忘れられないもの25

あたしはシャルルの腕の中で何度も頷いた。あった事を忘れるなんて実際には無理だって分かっていたけど忘れたいと思った。その思いが通じたのかシャルルの腕が解かれあたしは自由になった。 「今すぐにでも君をオレのものにしたいところだが、倒れたばかりの…

忘れられないもの24

「あたしは……」 シャルルの青灰色の瞳が鋭く光り、今回の騒ぎの原因が一体何かを問いただしているように見えたけど、あたしは勇気を振り絞って言葉を続けた。 「あたしはシャルルに会いたくて空港まで来たの。でも間に合わなかった。 そしたらエンジントラブ…

忘れられないもの23

目を覚ますと真っ白な天井が見えた。 ここはどこ? 起き上がろうとしたあたしは左腕に点滴が繋がれているのに気付いて空港で倒れたことを思い出した。 そうだ!シャルルの乗った飛行機がエンジントラブルを起こしたっていうアナウンスを聞いてあたしは急に息…