きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

夢から覚めて9

あたし、シャルルと…? まずは落ち着いてよく思い出すのよ。 ワインを飲み終わって、もう一本って言ってシャルルがキッチンに取りに行ってくれて…それでどうしたんだっけ? 全然思い出せないわ。 そしてあたしは倒れこむようにして再びベッドに体を沈めた。…

夢から覚めて8

次の日から少しずつシャルルの空いている時間にフランス語の勉強を始めた。 シャルルが用意してくれた幼児向けの教材とシャルルがあたし用に作ってくれた物を使ってほとんど毎日シャルルの部屋で勉強をしていた。 今日も約束の時間にシャルルの部屋に向かっ…

夢から覚めて7

「時間が取れない時もあるが明日からオレが教える。読み書きまでしたい?」 シャルルはポケットからメモを取り出してあたしにいくつか質問しながらサラサラと何かを書いていた。そしてふと手を止めてあたしに視線を向けた。 「なぜ急に勉強しようと思ったん…

夢から覚めて6

冷たい手があたしの頬に触れてハッとして起き上がると青灰色の瞳があたしをじっと見つめていた。 「夕食の時間も忘れて眠りこけるなんて君にしては珍しいね。」 「もう、夕食の時間っ?! やだ、何だか疲れてたみたい。」 あたしはソファに座りなおして肩を…

夢から覚めて5

涼やかな秋風に運ばれて彼女の笑う声がこぼれ落ちてきた。ふと見上げればカーテンが揺らめいている部屋が一つだけある。そして微かに聞こえてくるもう一人の声…。 時が止まったかのような静寂に包まれ、オレは動く事が出来なかった。 「シャルル様、どうかな…

夢から覚めて4

「あんたを忘れる事できなかった。」 オレは自分の耳を疑った。 オレがそうであって欲しいと願うあまり幻聴が聞こえたとでも言うのか。 それともこれは夢とでも言うのか。 いや、確かにマリナはオレの腕の中にいる。 「マリナ…」 彼女の名を口にした瞬間、オ…

夢から覚めて3

繰り返されるだけの日々をただ送っていたオレの人生に再び色彩をもたらしたのは運命の人だった。 「マリナさんがいらっしゃってます。」 身を裂かれる様な思いで彼女に別れを告げてからどれほどの時が経っただろうか。今さらどうしたと言うんだ。 和矢に何か…