きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

聞かせてほしい13

日本からの取材依頼にマリナはすっかり浮かれていた。 仕事をする必要があるのか…。 オレの目が届かない場所へ出掛ける事はずっと避けてきた。 今回はシリルと一緒なのもあって許可はした。だが、危険が無いわけではなかった。 マリナの身元については度々、…

聞かせてほしい12

シャルルはシリルの想いを聞いて何を感じたんだろう…。 シリルは何を考えているの。 そんな事を考えながら私はいつの間にか眠っていた。 ここへ運び込まれてから2日が経ち、私の体調は安定し始めていた。平熱になり、倦怠感や悪寒から解放されていた。 通常…

聞かせてほしい11

「カチャッ」 扉が開けられ、シャルルが白衣に着替えて戻ってきた。 ベットで寝ている私の隣へ来ると椅子を引いて座った。 持ってきた治療に使う道具をテーブルに几帳面に並べると私の方をじっと見つめて話を始めた。 「マリナ、あの時の傷を放置していただ…

聞かせてほしい10

シリルはため息をつくと私を抱き上げてアパートを後にした。 「今日こそ病院に連れていくよ。 凄い熱じゃないか。オレにわざと心配させてるみたいだな…。」 再びため息をつく。 シリルの腕の中で温もりを感じて私はシャルルを思い出していた。 前に風邪を拗…

聞かせてほしい9

「オレと一緒にパリに行かないか?」 私は首を小さく振った。 「行かないわ……。パリには行きたくない。日本で平和に静かに生きて行くって決めたの。誰も傷つけたくない……」 シリルは私の目をじっと見つめると、ふっと優しい笑顔を作った。 「オレを傷付けて…

聞かせてほしい8

「好きだ…」 シリルは耳もとでそっと囁いた。 逞しい胸に抱きしめられて私はドキドキしてしまう。 彼を好きになったわけではなかったけど、男の人にこんな風にされて平気でいられないわ。 だからと言ってこの雰囲気に流される つもりはなかった。 「シリル………

聞かせてほしい7

「どうしたの…?! 」 突然現れたのはシリルだった。 勝手に入ってきたら驚くじゃないっ! 文句を言ってやろうと近づいて、シャツの襟元からチラッと真っ白な包帯が見えてハッとした。 私は逃げるようにパリから離れたけどシリルには何のお別れもしないで帰…

recollect近況報告 コンプリート!

みなさま、こんばんは(o^^o) さきほどPostを覗いたら最後の一冊、【愛からはじまるサスペンス】 到着してました。最後は何冊かまとめて注文していたので続々と自宅に届いて、あれよあれよ…と言う間にコンプリートしました*\(^o^)/* 今の悩みはどの話も読みた…

聞かせてほしい6

金色に輝く一枚のカードを眺める。 印字されているCharles de Hardieの文字をそっと指でなぞる。 落ち着くまでは使っていて構わないと渡されたシャルル名義のカード。 だけど頼るわけにはいかない。 そっと机にしまうと私は編集社へと向かった。 あの日シリ…

聞かせてほしい5

シャルルは目を合わせない。 やっぱり私が狙われたんだわ。そして何人もの人を巻き込んでしまった…。 「あの人はどうなったの?」 私はもう一度聞いた。シャルルは青灰色の瞳を伏せると小さく言葉にした。 「一命は取り留めたが、すぐに元通りとはいかないと…

聞かせてほしい4

電話をかけていた男の人は私達に走り寄り無事を確認すると安堵の表情を浮かべた。横たわるシリルの怪我をしてる方の肩を厳しい表情で観察している。 「シリル様、失礼いたします。私はシャルル様専属のSPです。傷の具合を確認させてください。」 そう言うと…

聞かせてほしい3

取材当日、お昼過ぎに待ち合わせをしてシリルと私はアルディの車でシャンゼリゼ通りまで行った。 通りは栗の木の並木道になっていてコンコルド広場から凱旋門のあるシャルル・ド・ゴール広場まで続いている。 立ち並ぶカフェを何軒か回ってデザートの写真を…

聞かせてほしい2

私は部屋で観光地取材プランを考えようとメイドに頼んでガイドブックを用意してもらった。 リビングの床にペタっと座ってスケッチブックを広げるとお手製の地図を作り始めた。 アルディ家があるのは16区なの。 パリの街は20区画で出来ていて取材に行くとすれ…

聞かせてほしい

「そんな訳だからさ。フランスの観光地をいくつか取材して日本に送ってよ。 場所は任せるからさ。 パリにいるんだから大体分かるでしょ。それから報酬は出来高性だからね」 一方的に言って電話は切れた。 外線が掛かってきて何かと思えばこの松井さんからの…

心をこめて23 最終話

その日シャルルは本当にある意味、私を一日中放さなかった。 私は目を覚ますと、すっかり着替えてパソコンに向かっているシャルルが目に映った。ベットから起き上がってシャルルに近付いた。 「シャワーを浴びておいで。その間にこれを終わらせてしまうよ。…

リコレクト☆ガイ君編

みなさん、こんばんは☆きらです。 先日、私がシャルマリを書く中で初めて登場させたのが和矢と薫なんですが、 実は注文していた【愛する君の…】 が届いてサラサラ~と読んでいて、思いつきで創作を書いてみました。 薫とマリナのベットインをシャルルが見た…

心をこめて21

ジルから受け取ったシャルルへの贈り物のそれ…。 やっと渡す事ができる。 面と向かって渡すのは恥ずかしかったからシャルルが寝ている間にそっと枕元に置いてこようと思って、東の空が明るくなる頃、シャルルの寝室に忍び込んだ。 忍び込んだと言っても普通…

心をこめて20

今日のディナーはとっても素敵なフルコースだったわ。 学会やらの話は聞かなかった。難しい話は苦手。シャルルも仕事の話はあまりしない。こうやって二人でディナーを出来るのは何より幸せだった。 お料理は美味しいし、シャルルが選んだワインはシャトーラ…

心をこめて19

メッセージカードの件は忘れる事にして、帰ってきたらどうにかなるわよ。きっと…。 シャルルが戻るのは夕方って聞いていたからそれまでに私は中庭でスケッチをしたり部屋でデッサンしたりして過ごすことにしたの。 ランチも忘れそうになるほど夢中で描いてい…

創作 2和矢編

オレはマリナとディナーを終えると部屋の前で分かれた。部屋に入って奴のホットラインへ掛けてみる。アルディ家の代表番号に掛けた所で繋いではくれないだろうと思っていた。 5コールで繋がった。珍しくシャルルが捕まった事にホッとした。 「久しぶりだなシ…

心をこめて18

秋めいてきたパリの朝は少し肌寒く、今日で別邸に行くのも最後かと思うと急に寂しくなる私の胸の中を冷んやりとした風が通り過ぎるようだった。 通い慣れた道を歩き踏みしめるようにゆっくりと別邸へ向かう。 こうやって気軽に別邸へ来ることも本来なら出来…

創作 1マリナ編

まだシャルルと出会ってまもない頃、私と和矢とパリへ来た時の話。 ーー和矢と私はお互いに惹かれ合いながらも気持ちを打ち明ける事も出来ずにいた。 偶然まんがの取材を頼まれた私が和矢を誘ってみたの。 「パリを案内して欲しい」と。夏休みだったし、シャ…

心をこめて17

昨夜のシャルルからのメッセージカードの事が気になって、なかなか寝付けなかった。 おかげで今朝は寝不足で体が重い。 ベットでグズグズといつまでもしていると痺れを切らしたジルが起こしに来た。 「マリナさん、おはようございます。 昨夜は私が仕事を済…

心をこめて16

ミシェルはワゴンの上からシャンパンを取ると私にグラスを持たせて注ぎ、自分の分も入れて、パッと輝くような笑顔を向けて言った。 「こうしてマリナちゃんと過ごす事はもうないと思っていたけど嬉しいよ。 さあ、ルイ・ロデレールクリスタルで乾杯しよう。…

心をこめて15

メイド姿も板に付き明日でジルとの約束も終わる。今日の午後もやっぱりアルディ家の歴史の勉強…。旧公爵家だけあって歴史が長いのよ!長すぎるっっ! 何度教えてもらっても名前が覚えられない。 「……オリビエ・ドゥ・アルディ、えっと、ル、ルパート、いやル…

recollect近況報告 (愛いっぱい…編)

みなさま、だいぶ涼しくなってきましたね。残暑ってこんなものでしたっけ? 窓を開けたままで寝ると喉がやられるのもこの時期。 みなさまも風邪など引かないようにして下さいね(*^^*) マリナシリーズ集まって参りました。 新たな気持ちで再読してます。どの…

心をこめて14

昨夜の突然のシャルルの帰宅と今朝のジルの話と色々な想いを抱きながら私はミシェルの別邸へといつもより少し遅れて向かってた。 慣れてきた私はメイド服選びも楽しむようになっていたの。今日は緋色よ。ミシェルは悪戯心から何色ものメイド服を用意したのは…

束縛と自由 後半

ガチャッ。 ドアが開くとさっきの男が入ってきた。私に近づき縛られてる腕をぐっと引き上げ私を立たせた。乱暴に押されながらドアを出て通路を挟んだ反対側の部屋へ移動させられた。 部屋の中には椅子とカメラが一台設置されていた。 「………!!」 フランス語…

心をこめて13 J-side

マリナさんがいつもなら帰る時間になっても別邸から戻って来ない。 あと数分待って戻らなかったら私自身が足を運ばなければいけないと思っていた。 私はシャルルとWeb電話をした後にミシェルの警護レベルを上げる為にSPを手配していた。今回は敷地内での警護…

束縛と自由 前半

「ちょっと、いつになったら外に出ていいのよっ!!」 パリで暮らすようになって半年も経つのにシャルルの外出の許可が出ないのっっ!! たしかに敷地内だけでも特に困る事は何もなかった。 でも、外の空気を感じたいのよ。外気って意味じゃなくて生きてる事…