きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

愛は導かれてパッサカリア13

みなさん、こんばんは!今年最後のお話は後半が限定公開(ノ∀\*)キャ✨となっています。はてなブログではそのやり方がよくわからないのでlivedoorブログでご覧いただければと思います。 リンク貼っておきます↓↓↓ http://blog.livedoor.jp/kkikirara_0419/ なお、…

愛は導かれてパッサカリア 12

階段を降りる足がガクガクする。五年ぶりに見るシャルルは中性的だった十代の頃とは違い、大人の男の人になっていた。胸も肩もがっちりとは少し違うけど、逞しくなっていた。焦がれていた時期が長かったせいか、胸がドキドキする。 「マリナさん、隠れてて下…

愛は導かれてパッサカリア 11

なぜ、マリナがここにいるのか。 子供達が話していたルパートのいい人というのは、おそらくマリナで間違いないだろう。これはルパートにとっては大きな誤算だったはずだ。用心に用心を重ねて留守にまでしていたにもかかわらず、まさか使用人達の間でそんな噂…

愛は導かれてパッサカリア 10

別邸まではわずかな距離だが、夏の陽射しが容赦なく照りつけてくる。暑さ凌ぎなのか本邸前の噴水で小鳥が水浴びをしている。あれはゴシキヒワか。ヨーロッパ、北アフリカを中心に広く分布している。姿形が良く、そのさえずりは美しく、古くから人々に好まれ…

愛は導かれてパッサカリア 9

大佐の家で暮らすうちにあたしには二人の可愛らしい友達ができた。9歳のエマとキャロン。二人はメイドさんのお子さんでそれぞれ両親と一緒にここで暮らしている。別邸の一区画に使用人専用の生活スペースがあって、数組の家族がここで働きながら生活している…

愛は導かれてパッサカリア 8

ルパートが空軍へ入隊した年の春、当時の空軍大将が屋敷を訪れた。よほどアルディ家の人間が空軍を選んだのがお気に召したのだろう。オレとルパートは父に呼ばれてその場に同席した。たしかあの時、入隊式で同期の一人が緊張のあまり倒れ、近くにいたルパー…

〜企画のお知らせ〜

みなさん、こんにちは! 今日は別ブログでのことですが、シャルマリによるキリ番企画劇場とお知らせ記事を書きました。 ご興味のある方は下記へリンクを貼っておきますのでご訪問頂ければと思います。 詳細などは記事内で発表しています。 http://blog.lived…

愛は導かれてパッサカリア 7

「なぁシャルル、まさか幼少期に加害者と会ったことがあるなんて被害者は思いもしなかったんだろうな」 「あぁ。ただ加害者からすれば、その時のことがずっと引っかかっていたんだろうがな」 「だからって10年以上経ってるんだぜ?被害者からしてみたら完全…

愛は導かれてパッサカリア 6

ここへ来て十日。あたしは何不自由なく暮らしている。バランスの良い食事と快適なベット。お金の心配をすることもなく、ただ毎日絵を描いたり、庭を散歩したりと陽だまりのような生活を送っている。でもあたしの心は鉛のように重く沈むばかりだった。日本で…

愛は導かれてパッサカリア 5

ドゴール空港に着いたのは翌朝の8時すぎだった。タラップに立つと夏の香りがあたしを迎えてくれた。一人では決して来ることができなかったパリ……。その空をあたしは今、見上げてる。お金がないという理由を言い訳にして、あたしは和矢と別れた後もシャルルに…

愛は導かれてパッサカリア 4

羽田空港に着くと見覚えのないターミナルへと車が近づいていく。さすがのルパート大佐も日本の空港のことについてあまり明るくないみたいね。運転手の間違いに気づいてないんだもの。 「ねぇ、さっきの道を右じゃない?国際線の発着は向こうのターミナルよ。…

近況と情報発信について

みなさん、こんばんは! 私、2年ほど前からTwitterをやっておりまして主に更新の状況などを呟いてはいるんですが、この度「はてなブログ」で見てくれてる方にも更新予定などをお伝えできればと思い記事を書きました。 更新も不定期な上に特にトップページも…

愛は導かれてパッサカリア 3

車から降りてきたのは薄暗い中でも目を見張るようなブロンドの髪の若い男たちだった。えっ?外国人っ?!二人は車から降りると鋭い視線を辺りに配り、周囲を気にしている。すかさず一人があたしの後ろに立ち、もう一人はあたしの前に立ち塞がった。人通りが…

愛は導かれてパッサカリア 2

半年ほど前からあたしはスーパーでアルバイトを始めた。担当は手作りパンの売り子さん。一緒に働く主婦の人達はみんな気さくな人達で、たまに前日の売れ残ったパンをくれるの。おかげで慣れないレジ打ちの仕事も、いくつもある複雑でお洒落なパンの名前も覚…

愛は導かれてパッサカリア 1

「一般旅客機では、不測の事態が起きた時に対応し切れない。やはり民間機は避けるべきです」 「だが、他に方法はあるのか?まさかお前の所のラファールを使うわけにもいくまい。はて、どうしたものか」 くだらない冗談につき合うほど私は暇ではない。そんな…

活動再開のお知らせ

みなさん、こんばんは! そろそろ活動再開したいと思います。 約3か月お休みしてましたが、新しいお話も何話か書けたところでスタートしようかなと✨新作は「愛は導かれてパッサカリア」に決定7月中旬に公開を始めたいと思います。全部書き終えてからスタート…

あとがき

みなさん、こんばんは! 『愛は記憶の中へ』を最後までご覧いただき、ありがとうございました。一年以上かかってやっと完結することができました。これも全てみなさんの温かいお言葉と応援のおかげです✨ なんと第一話は2019年12月23日⛄️でした。冬じゃん…今…

愛は記憶の中へ 40最終話

みなさん、こんにちは! 今回は限定記事にはしていませんが、そういった事を仄めかす表現が少しあります。ピロートーク(//∇//)なので、シャルルのそういう姿を一切見たくないという方は退室される事をお勧めします。 ***** 「マリナ、なぜ空港から直接…

愛は記憶の中へ39

マリナを抱え上げ、そのまま寝室へと向かった。まさかこんな日が来るとは思いもしなかった。腕の中のマリナはあの頃よりも女性らしくなっていた。それは年齢的な理由だけではないことぐらい想像はできた。かつての親友の影が散らつき、嫉妬にオレの心は震え…

愛は記憶の中へ 38

「こちらは林檎のエクレアマスカルポーネ添えでございます」 目の前に置かれたのは金で縁取られた上品な洋皿に乗ったデザートだった。きゃっ♡美味しそう!エクレアの横には二種類のシャーベットが添えられ、ホイップに乗せられた苺やチョコレート細工があち…

愛は記憶の中へ 37

「早かったな。ちゃんと温まってきたのか?」 キッチンにいたシャルルがこっちを振り返って言った。 「そう?いつもよりずいぶん長く入ったわよ」 だってシャルルの部屋のバスルームはまるで小さなローマ神殿のようだったのよ。あれじゃ、あちこち見ているだ…

愛は記憶の中へ 36

「やっと君の心に触れることができた」 シャルルは頬を傾け、ゆっくりと長いまつ毛を伏せた。誘われるようにあたしも目を閉じる。その瞬間、中庭で見たシャルルと美紗さんの姿がフラッシュバックした。思わずシャルルから顔を逸らし、ここは廊下だからと俯い…

生活が変わりまして…(日記です)

みなさん、こんにちは☀早いものでもう2月ですね。日中は暖かい日もたま〜にあるけど、まだまだ寒い日が続くと思うので風邪などひかないようにお気をつけ下さいね👍 さて、次話ですがもう少し時間がかかりそうです💦お待たせしてすいません🙏 力が入りすぎたのか、…

シャルルBD2021 愛と運命の航路

HND→CDG 0:50→9:40 飛行時間は約12時間。安定飛行に入り、シートベルト着用サインが消えると、ほとんどの乗客が静かに眠り始めた。この便は直行便じゃなくてフランクフルトを経由する便だったから実際には16時間ほどかかる。チケット代はその分、安く済ませ…

愛は記憶の中へ 35

部屋を出るとシャルルは慣れた様子でミシェルの部屋にロックをかけた。ピピピピッと音が続いた後、ピーっと機械的な長音が鳴った。この音を、扉の向こうでミシェルはどんな思いで聞いているんだろう。ミシェルに助けてもらったのに自分だけ逃げ出すみたいで…

愛は記憶の中へ 34

ここで泣いたら変に思われる。目の奥にグッと意識を集中させてあふれ出そうな涙を懸命に堪えた。だけど今度こそ間違いなく、目の前にいるのはシャルルだ。そう思うとすごく悲しかった。数年が経った今でもシャルルとミシェルは見分けがつかないほどよく似て…