きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

la douce pluie 29

私はミシェルに手を引かれ扉へと向かっていた。ミシェルはまるで近くへ散歩に行くかのようなそんな感じだった。 その場の勢いで一緒に行くと言ったもののシャルルと別れるなんて私には出来ない。そんなのは絶対にイヤだ。だから私はここでミシェルの強制移送…

la douce pluie 28

「マリナ……。オレと行く?」 ミシェルは私の顔を覗き込むようにして聞いてきた。 私も一緒に行く…ジルを止めたくて咄嗟に出た言葉だった。 「君にも選ぶ権利があるよ。オレと行くか、ここに残るか。どちらかひとつ選べよ。ただし、オレと行ったら今までの暮…

la douce pluie 27

ジルは写真を全て戻すと黒いファイルをパタンと閉じて自分の傍らに置いた。 「この写真は処分します。 しかしお二人の事はまだ解決していません。こんな事があった以上、ミシェルをこのままアルディ家に置いておくわけにはいきません。」 私は驚いて隣に座っ…

la douce pluie 26

黒いファイルを手にしたジルの表情を見て私は胸の奥に鉛が支えているような重たい気分になった…。 そして言い知れぬ不安…。 ジルは再び私たちの前に座ると黒いファイルから一枚の書類を出した。 「マルク・バルトリに関する調査報告書です。それから…」 ジル…

la douce pluie 25

「ミシェル、自分の立場をわきまえなさい。たとえ兄弟だとしても当主の居室に無断入室は許されません。勝手な行動は慎んで下さい。」 いつになくジルの口調は厳しかった。 ますます話が大きくなってしまった事に私は頭を抱え込みたい気分だった。 「これはマ…

la douce pluie 24

通話終了を確認すると私はすぐさま腕時計を確認した。 シャルルが5分と言えばそれは絶対だった。 一秒の狂いも許されないと私は常に正確さにこだわり務めてきた。 私の中に流れるこのアルディの血がそうさせるのかもしれない。 4分52秒が経ちシャルルの携帯…

la douce pluie 23

マルク・バルトリ23歳、フリージャーナリスト。 政界、財界のスクープ記事を書いてきた人物だった。しかしこれまで大きな記事を扱ったことはなく、小さなスキャンダルで小銭稼ぎをしてきた男だと報告書には記載されていた。 私はマルクの基本データに目を通…

la douce pluie 22

「人が来るとまずい。早く開けろ。」 胸がざわざわさして両手を握りしめ胸にあてた。どうしよう…。 シャルルが居ない間に誰かを居室に入れるなんて無理よ。 「だめ、入れられないわ。自分の部屋に帰ってちょうだい。」 ここはシャルルの部屋だもの。 勝手な…

シャルマリ創作「許さない」

今、何時…? ふと私は目が覚めた。 振り返って時計を見ようとしたらベットに腰掛けているシャルルの背中が見えたの。 「おはよう、シャルル。今朝はずいぶんと早起きなのね。」 まだ9時前だったのよ。よっぽどの事がなければ11時までシャルルは起きないのに…

la douce pluie 20

寝室に響き渡るシャルルの携帯の呼び出し音。プルップルッ…。 シャルルは携帯を取り出すと液晶画面に視線を落とす。 急いで歩き出し私から少し離れてから電話に出た。 「私だ。……5分後に掛け直せ。」 それだけ言って携帯をしまった。仕事の電話だったみたい…