きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

愛の祈り(シャルル×マリナ)再会

愛の祈り(番外編)4

目が覚めた私が隣の部屋に行ってみるとソファで寝ているはずの薫はいなかった。どこに行ったんだろう。しばらく部屋で待ってみたけど帰ってくる様子もないし困った私はメイドさんに薫を見なかったか聞いてみたの。 そしたら薫のやつ、あの後ゲストルームを用…

愛の祈り(番外編)3

数か月ぶりの薫との再会は積もりに積もった話で湧き立った。私たちの勢いに厭きれたシャルルが部屋を後にしてから夕食を挟んでさらに長い時間、薫に用意されたゲストルームでお互いの話をして過ごした。夜になるとワインをお供にしてすっかり絨毯の上に座り…

愛の祈り(番外編)2

アプローズと呼ばれる接見の間は絨毯もカーテンも壁紙も全て淡青で統一されている部屋だった。 窓辺には真っ白なグランドピアノがあり、その上には青い薔薇が飾られ見事に咲き誇り際立っていた。さすがに青薔薇の部屋って言うぐらいね。中央にはソファセット…

愛の祈り(番外編)1

プルップルッ… 「私だ。どうした?」 シャルルは事務的な受け答えをする。普段から私たちの朝はなかなかやって来ない。微睡みの中にいた私たちを引き剥がそうとする内線電話の音が部屋に鳴り響いた。 忌々しげに受話器を取るシャルル。 「構わない、しばらく…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)32 最終話

2人で迎えた朝は今日が初めてじゃない。逃亡生活をしていた時だってシャルルと何度も朝を迎えたわ。 あの華麗の館では同じベットだったし。 だけど今日迎える朝は特別な朝…。 ふと目を開けるとシャルルと目が合って私は焦ったわ。やだ、シャルルったら珍しく…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)30

ダイニングに入るとシャルルはもう座っていて、バラが花開くようにふわっと笑顔を見せながら隣に来るように私を促した。 「そのドレス気に入ってくれたかい?オレの思った通りとても似合っているよ。」 眩しそうに私を見つめるシャルルの方がよっぽど綺麗で…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)29

私は自分のシャルルへの想いの深さを思い知った。 そしてシャルルの想いも聞けた。 となるとこの先にはきっと…2人が仲良くなれるような事が待っているわよね? 私は急にこれから起こるであろう事を意識してしまって体を固くした。 シャルルの手が私の肩に置…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)28

シャルルに話しながら私は自分の思いと向き合っていた。 シャルルの事が気掛かりで仕方がなくてとにかく私はパリまで来たわ。 たとえ恋人がいてもいい。 今さらって言われてもしょうがない。 自分の気持ちを伝えられるだけでいい。 そう覚悟して日本から来た…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)27

ドキドキっ!! 私は人生最大のピンチ中なのよ! ここはシャルルの居室。 アルディ家で治療を受けていた私はこのお屋敷で自由に生活していた。 だけどシャルルの居室、つまりプライベートルームに入ったのは初めてなの。 そりゃ記憶失くしててシャルルの事は…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)26

朝からミシェルとジルの企みでハラハラドキドキさせられちゃったけど、結果的に私はすべての事を思い出すことができた。 ジルはずっと私に何も教えてはいけないってシャルルに口止めされていて辛かったみたい。ジルにもいっぱい心配をかけてしまったわ。 そ…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)25

私はパリに着いた途端バックを盗まれて、それを追いかけて事故に遭った。 何もかも思い出したわ。 和矢と別れたこと、 シャルルの事が忘れられなかったこと、 そしてパリに来た理由。 私の気持ちを確かめるために、 今の私の気持ちをシャルルに伝えるために…

愛の祈りミシェル&シャルル編24

ここは当主執務室、オレはシュミレーションを始める。 相手はシャルルだからな。小さなミスも許されない。 本革張りの大きなアルディ家当主のための黒く重厚な椅子。 この椅子に何の興味もないのはここへ来てから今に至るまで変わる事はない。 マリナとロワ…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)23

私はシャルルの後を追って当主執務室へと向かった。 重々しい扉を開け放つとミシェルは本皮の大きな椅子に座り、ジルは執務机を挟んで毅然と立ち、2人は向かい合う格好で私たちの入室を見届けていた。 ミシェルは私たちを視界に入れると机の上に肘を付き、組…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)22

それぞれの思いが巡る…。 私はシャルルの悲しげな顔が忘れられなくて、胸にかすかな痛みを感じていた。 そしてミシェルはなぜか満足気に微笑みを浮かべているように見えた。 夕食をミシェルと一緒にしてその後、私はミシェルの私室にお邪魔したの。 シャルル…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)21

ミシェルの予想通りというか、それ以上に勝手に出かけたミシェルを警察ではなくてアルディ家の警備を使って強制連行するようにシャルルは動き出そうとしていた所に私たちはアルディ家に戻ったの。 やることが大げさ過ぎだわ。 私はそう思ったけどジルの話に…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)20

ミシェルと一緒にいるとあっという間に時間が過ぎていくようだった。 僅かな時間しか居られない事の方が多かったけどいつの間にか私はミシェルが来るのを楽しみにするようになっていた。 記憶障害になって間もないころにミシェルは言ってくれた。 「行きたい…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)19

ジルの執務室で頭痛を起こし、部屋に帰ってからも再び頭痛に襲われた。 シャルルが説明してくれたけど、難しくてよく解らなかった。 要は思い出そうとすると脳がパニックになるので考えるなって事だった。 簡単に言うけど考えないって結構難しいのよ!だって…

愛の祈りシャルル編18

「私はミシェルの事を忘れてしまっているの?」 なんということだ…。 彼女は信じられない事を口にした。 オレは立ち尽くした。 忘れられる苦しみ。ましてやオレとの過去は彼女の中でミシェルとの過去にすり替わっていたのだ…。 時折フラッシュバックが起きて…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)17

私を抱き上げて部屋まで運ぶとベットに寝かせてくれた。 これ以上部屋が遠くなくて良かった。 もう心臓がドキドキしておかしくなるかと思っていた。男の人に抱っこされる事ってあまりないものね。 「ねぇマリナ、前にも話した通り無理に思い出そうとするのは…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)16

確かめたい事があった。 もしかして…私が忘れているのは…。 ジルの執務室までメイドさんに案内してもらった。突然の訪問に少し驚いていたけど優しく微笑み温かく迎えていれてくれた。 ジルは私が何を聞いても教えてくれないのはわかっていたから違う方向から…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)15

夕食も終わってふかふかのソファに体を投げ出して頭の後ろで腕を組み敷いて天井を見上げる。 私はさっきのミシェルとの事を思い出していた。ミシェルの意外と逞しい腕に囲まれて戸惑った。 急にあんな風にされたら誰だってドキドキするはずよ。これはミシェ…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)14

記憶が戻る気配は全くないまま数日が経ち、ゲストルームに移ってからも相変わらず敷地内を散歩したり物思いに耽ったりして過ごしていたけれど、ふとミシェルの言葉を思い出していた。 「一人で不安になって泣いたりしちゃだめだぜ。」 ミシェルと話がしたく…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)13

最近の私の生活は、午前中に診察を受けてケガの具合を診てもらい、記憶についての変化を確認して終わりといった感じだった。 今日はシャルルが来て話があると言ってベット横の椅子に座って私を見つめる。 事故から目覚めて間もない頃もこんな風にシャルルは…

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)12

目の前にとっても綺麗な人がいて私を見つめていた。 ぼんやりとしか見えない…。 この人はお医者さんみたいだわ。痛いところがないか聞かれたけど、体の感覚はあまりない。 名前を聞かれたけれど分からなかった…。 私の名前…暗闇に落ちて行きそうな不安と恐怖…

愛の祈り…シャルル編11

ジルは笑顔で部屋へと入ってきた。どうやら上手くいったようだな。 ジルはオレとマリナの事で随分と心を痛めていたようだった。パリに戻ってからはオレを心配しているのも分かっていた。そして突然のマリナとの再会…。 「真理江さんとの接触に成功しました。…

愛の祈り…シャルル編10

とにかく今はマリナの現状を確認しておきたかった。 11桁の数字の羅列… 間違いなく携帯番号だ。なぜマリナはポケットに入れていたのか。 相手は女か、男か…。 変えてなければの話だが、この番号は和矢ではない。余程の事がなければ通常変えることはない。ヤ…

愛の祈り…シャルル編9

マリナが目を覚ましてくれた。 まずは一安心と言ったところか…。 しかしさっきの様子だと事故による記憶障害を起こしているのは明らかだった。 さて、どうしたものか。 次に目覚めたときに先程までの事を覚えていてくれるといいんだが…。 マリナは逆行性健忘…

愛の祈り…シャルル編8

今日で事故から8日が経った。 マリナの様子を見にICUへ向かった。 いつものように包帯を解き、消毒をする。傷の腫れもだいぶ引いてきて感染症の心配もあと数日といった所だろうか。 その時、彼女の指先が微かに動いた。 そっと手を握り自分の頬に寄せてみる…

愛の祈り…シャルル編7

事故の日から5日が経とうとしていた。 マリナの状態は安定していたが、意識が戻らない。オレは考えられる全ての治療を施しマリナを見守り続けていた。 臓器への損傷は見られなかった。 事故のショックでいつ目覚めるのか、このまま眠ったままになってしまう…

愛の祈り…シャルル編6

私は国立病理研究所へ向かっていた。PCに目を向けていると運転手が申し訳なさそうに声を掛けてきた。 「シャルル様、渋滞しておりまして少々時間がかかりそうでございます。」 「他の道で行け」 私はそれだけ告ると再びPCに視線を落とす。それにしても渋滞と…