私は自分のシャルルへの想いの深さを思い知った。
そしてシャルルの想いも聞けた。
となるとこの先にはきっと…2人が仲良くなれるような事が待っているわよね?
私は急にこれから起こるであろう事を意識してしまって体を固くした。
シャルルの手が私の肩に置かれた。
緊張しながらもシャルルが来るのを待った。きっとこのまま寝室へ…。
だけどシャルルの情熱的な瞳はもうそこにはなかった。
どうしたんだろう?
もしかして後悔してるとか?
私の大告白に何となく流されちゃってキスをしたけど冷静に考えたらそんなに好きじゃなくなってたとか?
結ばれたと思った途端にまさか破局?!
私は冷や汗がたらり…。
シャルルはクッと微笑んで私の頭をポンポンと叩きながら思いがけない事を言い出したのよ。
「マリナちゃん、何だか残念そうだな。
オレはシャルル・ドゥ・アルディだ。
好きな相手と勢いに任せて…とはオレの唯美主義が許さない。」
はぁっ?!
残念そうなんて言われて私は恥ずかしくって顔が赤くなってしまった。
ここで唯美主義が出てくるとは思ってなかった私は甘いムードもすっかり飛んでいってしまったわ。
シャルルはそんな私を見て満足そうな笑みを浮かべて見つめていた。
「今夜、君をオレの物にする。
あの日、叶わなかった想いを…。」
ドキドキする甘美なムードに溶け出してしまいそうな私を見ていたシャルルがその目に不満げな色を浮かべて言った言葉に私は冷たい物が背中を流れて行くのを感じてさっさと部屋へ戻る事になった。
…ミシェルの香りがする君を抱くなんてオレには我慢できないしね…
あっ…今朝はミシェルのベットで眠っていたんだわ!
たとえ何もなくてもミシェルの香りが移ってしまっていたんだわっ!
私は大急ぎで部屋まで戻るとシャワーを浴びた。
これで大丈夫かしら?
そんな事を考えていてふと思い出したのがシャルルの言葉。
今夜、君をオレの物に…
今夜…って宣言されて部屋に行くのも何だか恥ずかしいじゃない。
「さぁどうぞ」ってノックしに行くの?
それってかなり恥ずかしいわよ!
そう言えばシャルルには何も言われてない。後で来てとか夜迎えに行くとか。
行くべきか待つべきか…
困るわ、こういうの。
私はこういう事は初めてだし、シャルルに愛されてると確かめ合いたい。
でも恥ずかしいのは変わらない。
部屋の中をウロウロと歩き回り落ち着かないでいるとメイドさんがノックをして入ってきた。
「シャルル様より今夜のディナーにはこちらをお召しになってくるようにとお預かりしました。18時にはお迎えに参ります。」
メイドさんは大きな白い箱をテーブルの上に置いていった。蓋を開けて見たら甘すぎないサーモンピンクの膝丈のドレスだった。肩から胸にかけて無数の薔薇があしらわれていて全体的に薔薇をモチーフにしたデザインだった。シャルルらしいわねって思い幸せを噛み締めた。
それほど時間も経っていないのにこの準備の早さはさすがね。ドレス部屋なんぞがあってそこから選ばれてきたんだろうって思っていたんだけどね。
後で聞いたら以前、私を迎える日が来ることを願いシャルルがデザインした物だと教えてもらった。そんな風に想っていてくれてたなんて…。胸が詰まる思いだわ。
そうして夕方になり、扉をノックしてメイドさんが迎えに来てくれた。
メイクをしてドレスを着させてもらい、準備万端でシャルルの待つダイニングへと向かった。
つづく
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みなさま、こんばんは!
ゆっくり丁寧に思いを巡らせて妄想作業をしていたらなんと限定記事になる所まで辿り着かなかった(≧∇≦)
シャルルの甘い夜はまた次回になりそうです。まだお気に入り登録がまだだよって方は次回、限定公開になると思います。ゲスブにて一言だけお知らせ下さいませ。
次回、限定記事をお読みにならなくても話が分かるように書こうと思いますので苦手な方は飛ばしてお読み下さい。