きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

愛の祈り(パラドクス後マリナ編)30

ダイニングに入るとシャルルはもう座っていて、バラが花開くようにふわっと笑顔を見せながら隣に来るように私を促した。

「そのドレス気に入ってくれたかい?オレの思った通りとても似合っているよ。」

眩しそうに私を見つめるシャルルの方がよっぽど綺麗で素敵だった。
シャルルは普段は無表情なんだけど、こうやって笑顔を見ていると、まるで天使が地上に降り立ったような美しさだった。

「シャルル、素敵なドレスをありがとう。私が着るのがもったいないぐらいだわ。」

私は自分がドレスの可愛らしさに負けている気がして少し照れながら言った。
だけどシャルルは小さく首を振った。

「君とこうして並んで食事をする日が来るなんて思っていなかった。
正確に言うと心から願ってはいたが、実際に叶うとは思ってなかった。
でもオレはいつかこんな日が来ることを願って君を想ってデザインしたんだよ。冬眠カプセルに入る前にね。その後オレはアイツのおかげでアルディを追われてしばらく留守にしていたし、その後は君ともさよならしたから、ずっと保管したままになっていたんだけどね。夢のようだよ、マリナちゃん。さあ、ディナーにしよう。」


次々と運ばれてくるお料理に私は興奮しながらそのすべてをたっぷりとお腹いっぱい食べさせてもらった。栗のガレットとサーモンのマリネ オレンジソース添え、無花果オマールエビテルミドール、トリュフバター玉ねぎのブイヨン、和牛フィレ肉のグリル 香草添え、フォアグラのポワレ、ココナッツのブランマンジュ、最後にガトーショコラ ベリーソース添え…。食べ過ぎだったかしら?
私が大満足で食べている姿を眺めてシャルルは微笑みながらゆったりと食事をしていた。
シャルルは幼い頃からこういう環境で育ってきていて気品に満ちていて、その1つ1つのしぐさは美しく、育ちの良さがにじみ出ていた。
私はシャルルに見惚れていたらシャルルがこっちを見るもんだから目が合ってしまって恥ずかしくなって俯いた。だって見惚れてるなんて思われたくないもの。

「マリナ、君のお腹は満足してくれたかい?
あんまりオレを見ているから足りないんじゃないかと心配したんだけどね。」

私が見惚れているのに気づいていたんだわ。
恥ずかしいじゃない!でも普通シャルルみたいな美形はその辺じゃ見かけないのよ。
何度見ても慣れたりしないわ。ついつい目が行ってしまうのは本能なのよ。

「ディナーは大満足よ。もうお腹いっぱい頂いたし、とっても美味しかったわ。
さすがの私ももう食べられない。だからシャルルを食べようなんてしないわよ。
ただ、あんたがあんまりにも綺麗だからついつい見惚れてしまうのは許して欲しいわ。」

そこまで言って、しまったっ!と思ったけどもう遅い。
シャルルはプッと笑い出した。

「そんなに真正面から綺麗だから見惚れてた。なんて言われたのは初めてだよ。
自分の容姿は知っていたが、まさか君がそんな事を言うとは思ってなかった。
いくらでも見惚れてくれて結構だよ。だけどマリナの方がよっぽど綺麗だ。
オレはいつでも君に夢中だよ。さて部屋に戻ろう。」

シャルルのプライベートルームは本邸の最奥にある。ここは歴代の当主も使用している部屋でセキュリティは万全。指紋認証が採用されていて限られた人しか入室は許されていない。迂闊に出てしまったら私はシャルルなしじゃ部屋に入る事も出来ないのね…と冷や汗をかいていたらシャルルは部屋へ入るように誘導する。シャルルに続いて部屋に入った。

「君の認証登録を済ませてあるから自由に出入りできる。そうでなければこの部屋で暮らせないだろう。今日からここは君の部屋でもある。荷物は運ばせるから問題ないね。」

私にソファに座るように言うとシャルルはキッチンからワインを手にしながら戻ってくると向かい側に座り、手際良くコルクを抜いて1つを私に差し出すと注いでくれた。

私はきょとんとしてしまった。

「一緒の部屋で生活するのっ?!」


「いや?」

シャルルが悲しげな表情で聞いてきた。
拒否されて孤独を抱え込みそうな、そんな顔させたくなかった。

「ううん。ぜんぜん嫌じゃないわよ。少し照れただけ。同棲みたいじゃない…。だから恥ずかしくなっちゃって。
でも私はシャルルの側にずっとこれからも居ることができて幸せよ。」

私の言葉を聞くと安心した表情を見せて自分の分も注ぎ入れ、グラスを高く持ち傾けた。

「それなら2人のこれからを祝して乾杯しよう。幸せにするよ、マリナ」

2つのグラスが重なり私はそれを一気に飲み干した。
とっても美味しいっ!

「おかわりっ!」

「口当たりがいいけどあとで来るからね。あまり飲み過ぎるなよ。」

ボトルを1本空けたタイミングでシャルルは立ち上がると、

「オレはシャワーを浴びてくるよ。マリナ、君も使うなら向こうのバスを使うといいよ。右の扉だよ。」

そう言って左手前の部屋へと行ってしまったの。1人残された私は悩んだけど、シャワーを借りて上がってみたら下着からネグリジェまで全て用意されていた。
それはペールピンクでエンパイアウエストのシルクコットン。肌触りがとっても優しい。花びらのような袖やリボンなどディテールもふんわりとしていて軽やかで可愛らしいものだった。

こんな可愛らしいネグリジェ着てシャルルの前に出るのはこれまたとっても恥ずかしい気分だった。ネグリジェなんて人生で初よ。普段はスウェット上下だもの。

シャルルは何処にいるのかしら?とさっきの部屋に戻ってみたらローブを羽織り、胸元も露わに濡れた白金色の髪をかきあげてるシャルルが見えた。
うわっ!色っぽすぎるっ!
ソファに体を持たれ掛け長い脚を組みながらグラスを傾けていた。私に気付くと隣に視線を落とし座るように誘う。その色っぽさに吸い込まれそうな私。

「マリナも少し飲む?」

そう言って自分のグラスを私に渡した。
私が飲み終えるとグラスを受け取り大理石のテーブルの上に置いた。

「君に見せたい物があるんだ。
オレの愛の証だ。」


シャルル立ち上がると棚から何かを取り出した。


一体なんだろう…。




つづく


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みなさま、こんばんは(o^^o)
最後までお読み頂いてありがとうございます。私があとがきを書いているのがなぜかはもうお察しかと思いますが、今回も辿り着く事なく、良く言えば丁寧に、悪く言えばダラダラと書いちゃいました

2人の幸せの時間を書いているのが何よりも私の至福の時楽しくて筆が滑ります。結ばれるその時まで…お付き合いして頂けたら嬉しいです。

シャルルの愛の証…お楽しみにしていてください(期待外れだったらすいませんっっ!)