2015-01-01から1年間の記事一覧
ミシェルへの嫉妬からオレはマリナを傷つけ、泣かせた。そしてミシェルは…。 「マリナはオレ達の運命をずっと近くで感じながらオレとお前が共に暮らす事を望んでいた。何よりも喜んでいたのはマリナだ。その思いをお前は踏みにじったんだ。」 ミシェルがアン…
マリナが眠ったのを見届けてオレはミシェルとの決着をつけるためにヤツの元へと向かった。 地下の特別室はかつてミシェルが使っていた部屋だ。母と共にアルディ家へと連れて来られたミシェルがその身を隠され生活していた部屋だ。 当時この部屋は扉もなく母…
車は静かにアルディの門を抜けて本邸の正面につけられた。 ブリスは運転席からこちらへ周り込むとドアを開けた。 「案内致します。」 玄関で待ち受けていた警備がオレの左右に張り付きブリスの後に続いて本邸内へとオレは入った。 玄関ホールを通り長い廊下…
玄関ホールに差し掛かった時、オレを呼ぶ声が聞こえた。 「ミシェルーーっ! 何処に行くつもりなのよーっ!」 速度を落としてマリナとの距離を保ちながらアルディの敷地を出るのはおそらく無理だ。マリナに合わせていたら警備に追いつかれる。 「ここまでか……
シャルルの居室で朝食を摂ることは普段はあまりないんだけど熱が下がったばかりの私を気遣ってくれたのかシャルルが部屋に用意するように言うと着々とメイド達が準備を始め、あっという間にテーブルは整えられた。 シャルルの急な注文にも即座に対応し、 常…
出て行ってしまったミシェルと話すって…? 「シャルル、どういうことなの?」 私の髪を優しく撫でながらシャルルは宥めるように言った。 「さっきの薬に睡眠導入剤も入れたから少し眠るといい。目が覚めたら楽になってるはずだ。その時に全て話すよ。」 私は…
目を覚ますとシャルルの腕の中に私はいた。窓の外に目を向けると夕陽はすっかり姿を隠し辺りは夜の闇に支配されていた。いつの間にか眠ってしまったようね。ぼんやりとした視界、気怠さを感じているとシャルルが心配した様子で私を覗き込んだ。 「君の体がさ…
「ミシェルとのキスは忘れろ…」 そう言って息も出来ないほど抱きしめられ唇を奪われた。 嫉妬と愛しさと、そして…情熱をシャルルから注がれていく。 甘く切ないキスはミシェルの時に感じた物とは明らかに違っていた。 ミシェルのキスは私を黙らせるためだけ…
少し前を歩くシャルルの後ろを私は黙って歩いていた。私の右手を握るシャルルの左手はいつもより少し冷たかった。 ーそんなにミシェルが気になるかー さっきのシャルルの言葉が頭から離れない。私はお屋敷を飛び出していったミシェルが心配だった。あの写真…
私たちを乗せた車は静かに本邸へと走り出した。車内は快適な温度に保たれている。私だけ…そんな複雑な思いを抱えながら窓の外を眺めていた。 ミシェルを追いかけて走った景色は車から見ていると流れるように過ぎていく。 ミシェルを強制移送させたくないばっ…
私は雨に打たれながら私と同じようにきっとこの雨に濡れているミシェルの事を考えていた。 ミシェルは何も持たずに出て行ってしまった。もちろんお金も傘も何もないはずだわ。 シャルルと逃亡したあの頃、私達も今のミシェルみたいに何も持たずにアルディ家…
私はミシェルに手を引かれ扉へと向かっていた。ミシェルはまるで近くへ散歩に行くかのようなそんな感じだった。 その場の勢いで一緒に行くと言ったもののシャルルと別れるなんて私には出来ない。そんなのは絶対にイヤだ。だから私はここでミシェルの強制移送…
「マリナ……。オレと行く?」 ミシェルは私の顔を覗き込むようにして聞いてきた。 私も一緒に行く…ジルを止めたくて咄嗟に出た言葉だった。 「君にも選ぶ権利があるよ。オレと行くか、ここに残るか。どちらかひとつ選べよ。ただし、オレと行ったら今までの暮…
ジルは写真を全て戻すと黒いファイルをパタンと閉じて自分の傍らに置いた。 「この写真は処分します。 しかしお二人の事はまだ解決していません。こんな事があった以上、ミシェルをこのままアルディ家に置いておくわけにはいきません。」 私は驚いて隣に座っ…
黒いファイルを手にしたジルの表情を見て私は胸の奥に鉛が支えているような重たい気分になった…。 そして言い知れぬ不安…。 ジルは再び私たちの前に座ると黒いファイルから一枚の書類を出した。 「マルク・バルトリに関する調査報告書です。それから…」 ジル…
「ミシェル、自分の立場をわきまえなさい。たとえ兄弟だとしても当主の居室に無断入室は許されません。勝手な行動は慎んで下さい。」 いつになくジルの口調は厳しかった。 ますます話が大きくなってしまった事に私は頭を抱え込みたい気分だった。 「これはマ…
通話終了を確認すると私はすぐさま腕時計を確認した。 シャルルが5分と言えばそれは絶対だった。 一秒の狂いも許されないと私は常に正確さにこだわり務めてきた。 私の中に流れるこのアルディの血がそうさせるのかもしれない。 4分52秒が経ちシャルルの携帯…
マルク・バルトリ23歳、フリージャーナリスト。 政界、財界のスクープ記事を書いてきた人物だった。しかしこれまで大きな記事を扱ったことはなく、小さなスキャンダルで小銭稼ぎをしてきた男だと報告書には記載されていた。 私はマルクの基本データに目を通…
「人が来るとまずい。早く開けろ。」 胸がざわざわさして両手を握りしめ胸にあてた。どうしよう…。 シャルルが居ない間に誰かを居室に入れるなんて無理よ。 「だめ、入れられないわ。自分の部屋に帰ってちょうだい。」 ここはシャルルの部屋だもの。 勝手な…
今、何時…? ふと私は目が覚めた。 振り返って時計を見ようとしたらベットに腰掛けているシャルルの背中が見えたの。 「おはよう、シャルル。今朝はずいぶんと早起きなのね。」 まだ9時前だったのよ。よっぽどの事がなければ11時までシャルルは起きないのに…
寝室に響き渡るシャルルの携帯の呼び出し音。プルップルッ…。 シャルルは携帯を取り出すと液晶画面に視線を落とす。 急いで歩き出し私から少し離れてから電話に出た。 「私だ。……5分後に掛け直せ。」 それだけ言って携帯をしまった。仕事の電話だったみたい…
「お前の処分は後で知らせる。」 部屋にシャルルの声が響いた。 私の肩を抱く手は普段よりも強く、むしろ痛いぐらいでシャルルの行き場のない怒りを感じて私は黙って歩く事しか出来なかった。 そんな中で私はミシェルの言葉を思い出していた。 『君までもや…
「ミシェル、離れろっ!」 ミシェルは私から体を起こすのとシャルルが血相を変えて駆け寄りミシェルの背中を掴むのとが同時だった。 私からミシェルを引き剥がすとソファに横たわる私の姿にシャルルは目を見開いた。青灰色の瞳が見つめる先にはブラウスのボ…
部屋に戻るとさっきのメイドは部屋の掃除を済ませてくれていた。 散らかした部屋を人に片付けてもらうのはいつになっても慣れないものね。 ありがとうって私がお礼をいうと彼女は 驚いた顔を見せた。 「お礼だなんて、これも私の仕事なので当たり前の事です…
みなさん、こんばんは! 今回もミシェルを中心に話が進みます。 そしてミシェルはすでに原作とは違い私の好みのキャラになりつつあります それらが許せない方は退出される事をお勧めします。 過去は過去と割り切っていただける方は大丈夫だと思います。 **…
今回はシャルルが出てきません(・_・; ミシェル中心の話になるので興味のない方はスルーして下さい。 【注意】マリナとミシェルが接近中です シャルルファンの方はご注意下さい。 ミシェルを絡めた話が苦手な方はお戻りになる事をおすすめします。 *****…
こんばんは(^o^) 今回はシャルル視点です。 シャルルの心の闇を目の当たりにする事になるかと思います。 可哀想なシャルルを見たくない方は退出される事をおすすめします。 書いていて私はどんよりした気分になりました(-。-; 晴れやかな気分の時に読まれる事…
私は声を掛ける事も出来ずにシャルルの後ろ姿をただ黙って見送っていた。 小菅での別れ…。 今、思い出しても胸が締め付けられそうになる。悲しい別れ。 私の中の和矢への想いに気付き私に愛をもってその手を放してくれたシャルル。 自分の気持ちよりも私の事…
私達は別々にお屋敷に入る事にした。 私は館の西側から入りミシェルは北側にある入り口から帰った。 「夜中に堂々と二人で帰るわけに行かないだろう。」 ミシェルの言う通りだわ。 二人で揃って帰ったらさすがに目立ちすぎる。あとでシャルルの耳にでも入る…
今回の話はミシェルとマリナのシーンが続きます。盗撮され、走り出すミシェル。そして…。 前回に続き、ミシェルが誰?だと思う方はスルーして下さい。 【注意】原作のミシェルとはイメージが違いますので苦手な方は退室する事をおすすめします。 *****…