きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

la douce pluie 11

今回の話はミシェルとマリナのシーンが続きます。盗撮され、走り出すミシェル。そして…。

前回に続き、ミシェルが誰?だと思う方はスルーして下さい。
【注意】原作のミシェルとはイメージが違いますので苦手な方は退室する事をおすすめします。


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人影を追ってミシェルは行ってしまった。私は一人残されて立ち尽くしていた。
突然のミシェルのキスに戸惑いながら写真を撮られた事の方が心配だった。
一体誰が…。

この時期のパリは夜になるとまだ寒く、この辺りはもともと人通りが少ないのか出歩いてる人もあまりいなかった。
だんだんと心細くなってきた私はミシェルの後を追いかけようか悩んでいた。

時間が経つにつれてミシェルに何かあったのかもしれないって思い始めてきた。一度そう思ってしまうと今度はそれが頭から離れなくなってきちゃうのよね。
私はどうにも落ち着かなくて少しだけ様子を見に行く事にした。

パリに来てから今まで一人で出歩く事なんてなかった。しかもこんな夜道だから余計に怖かった。
ミシェルはどこまで行っちゃったんだろう。やっぱり待ってた方が良かったかもしれないと迷い始めていた。

決心できないまま歩いていたら暗闇の向こうから誰か近づいてくる。
このまま通り過ぎてくれる事を私は心の中で祈った。
だけどその影はもの凄い速さでこっちへ向かってくる。
私の心臓が激しく鼓動し始めた。
脇道も隠れる場所も見当たらない。身を竦ませてやり過ごそうとしていたらそれは白金色の髪を揺らすミシェルだった。

一気に緊張が解けて私は胸を撫で下ろしたけど、普段は感情をあまり出さないミシェルが珍しく声を荒げ、青灰色の瞳を見開いて私の肩を掴んだ。

「マリナっ!何で待ってなかった?
一人で彷徨いたりして何かあったらどうするんだよ!」

ミシェルの言う通りだった。駆け寄って来たのがミシェルじゃなかったらと考えたら足が竦んでしまう。
私は唇を噛み締めて俯きながら言った。


「ミシェルが心配になったのよ。
あんまり遅いからあんた一人で行っちゃって何かあったんじゃないかって思って。それに一人で待つのも怖くて…。」


「そうか…。」


そう言ってミシェルは大きく息を吐くと私を抱き寄せた。


「ごめん…言い過ぎた。さっき撮られた画像は全て消去した。転送される前だから何も心配はない。悪かったな、不安にさせて。とにかくアルディに戻ろう。」

ミシェルの声を聞きながら私はキスされた事を思い出して身を縮めた。
ミシェルが何を考えてるのか分からない。でもこの胸は私の居場所じゃない。
私はミシェルの胸に手をあてて、その場から離れた。

「ミシェル、こういうのはやめて。それにさっきのキスも…。あんたは挨拶代わりで、ああいう事は慣れてるのかもしれないけど私は困るの。」


その時のミシェルの表情はどこか悲しげで私に何かを求めているようだった。
私はそれが何かは分からないけど今日のミシェルはどこか変だった。


お屋敷に向かう車の中から私は夜のパリの姿を眺めていた。凱旋門が見えてくると真っ直ぐに続くマロニエの並木道は光を放ってとても綺麗だった。

夜の闇が届かない街…パリの中心へと私たちは急いだ。

シャルルが帰る前に…。
何もなかったように…。



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みなさま、こんにちは(^o^)
今回もシャルルを登場させるとこまで書けませんでした。出てきたら修羅場(-。-;ですけど
私も幸せなシャルルを早く書きたい
でもしばらく苦しんでいてなかなか筆が進みません( ̄◇ ̄;)
シャルルが辛いのはちょっと…と思った方は最終話だけ読むのもアリかも。
↑違うか…(-。-;