シャルルの居室で朝食を摂ることは普段はあまりないんだけど熱が下がったばかりの私を気遣ってくれたのかシャルルが部屋に用意するように言うと着々とメイド達が準備を始め、あっという間にテーブルは整えられた。
シャルルの急な注文にも即座に対応し、
常に最高の状態で応えられるここの使用人達に感心しつつ目の前に並べられたお料理に私は目を奪われた。
「ビシソワーズに生ハムとゴーダチーズのガレット、ミニサラダにトマトのブルスケッタ、グラノーラとフルーツヨーグルト…ねぇシャルルっ…今朝はいつもよりも豪華だわ!何かあるの?」
シャルルは普段から朝食はそれほど量を食べない。よくそれだけで持つわねって私が言うと君は一体どこにそんな量を入れられるんだ?ブタにでもなりたいのか?って返された事があったの!
失礼しちゃうわよね!それなのに今朝のこのボリューム。
ふと目を向けるとシャルルは飲んでいたコーヒーカップを静かに置いた。
「昨夜は急性上気道炎による熱発だったからね。今朝は君の体の事を考えて作らせたんだ。しっかり食べて明日までには回復してくれよ。」
明日までにって何かあるのかしら?
「昨夜ミシェルがアルディ家に戻ってきた。と言っても連れ戻したんだが…。」
そうだったわ!
ミシェルの事を話してもらうんだった。
昨夜は薬が効いてきて話を聞く事なく眠ってしまったんだった。
私は最後に残ったフルーツヨーグルトを口の中へと流し込んだ。
そして今ミシェルがアルディ家の地下の特別室にいる事を教えてもらった。
「ミシェルは特別室にいるってまさか拷問とかしたの?」
シャルルはフッと笑った。
「それでオレはミシェルに封鎖でも解かせればいい?」
シャルルは立ち上がり壁にもたれかかると腕を組み目を伏せて昨日の事を話し出した。
「降り出した雨の中ミシェルはアルディ家を飛び出し、マリナはその後を追っただろ?君はミシェルの事をとても気にしていたようだが…ミシェルが何のアテもなく出て行ったと思うかい?」
シャルルは少し呆れた様子で私をみていた。でもあの時ミシェルは何も持っていなかったわ。誰かに連絡するにしても何処かに向かうにしてもお金も持ってなかったはずだわ。
「想定内だったんだよ。」
「どういうことっ?」
つづく
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みなさん、こんにちは!
何でしょうね…こんな雰囲気を作り出している私(笑)
次回全容が明らかになるはずです。
もう少しお待ち下さい