みなさん、こんばんは!
今回もミシェルを中心に話が進みます。
そしてミシェルはすでに原作とは違い私の好みのキャラになりつつあります
それらが許せない方は退出される事をお勧めします。
過去は過去と割り切っていただける方は大丈夫だと思います。
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ティナを抱っこするミシェルはかつての影ではなかった。
運命を受け入れ、光にも影が存在し自分だけが影ではないと思えるようになったミシェルはあの頃とはまるで違って見えた。
「ねぇミシェルはシャルルと違う仕事をしているの?」
マリナの理解に苦しむ質問が飛んできた。思わずオレは手で目を覆い苦笑いした。
「ああ。シャルルは当主だからね。ある程度の決定権しかないオレとは基本的に仕事の内容も深さも違うよ。身代わりをする時は話が別だが。なぜだ?」
マリナは少し思い詰めたような曇った表情をみせた。
「最近シャルルが寝てないみたいなの。それに今夜も帰らないって言ってたわ。
仕事が忙し過ぎるんじゃないかって少し心配でね。」
そういうことか…。
「常に忙しさはあるが行き詰まった案件もないし、特に問題も起きてない。
オレも補佐しているから心配ないはずだよ。」
アイツは何をしているんだ。
この前の東南アジア開発プロジェクトも国際森林保護推進委員会それに地下鉱石発掘計画も全てオレに振ってきた。
それとも気付いているのか。
「何もないならいいの。
じゃあ、ミシェル!またね。
あっ、それから…キスって言うのは好きな人とするものよ!
誰かれ構わずするもんじゃないわ。二度とあんな事はしないでちょうだいね。」
言いたい事だけ言うと手を振り本邸へと歩き出すマリナの後ろ姿が、憎らしくもあり眩しくも見えた。人の気持ちによって自分を取り巻く景色がこんなにも変わって見えるものなのか。
それにしても、まさかオレがマリナを好きだとは君は思ってもいないか…。
この腕に抱いて好きだと言えば君はオレのキスを受け入れると言うのか。
オレは自らを嘲笑った。
アルディ家当主の座の次は…。
アイツの大切にしている人が欲しくなるとは…。
まるでカインコンプレックスのようだな。兄弟関係において差別的に親の愛を受けた場合、心の葛藤や相手に抱く競争心や嫉妬心が自然と現れる。あくまで精神分析の概念でしかないが癪にさわる。
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翌日は午前中から私の部屋をノックしてメイドが慌てた様子で入ってきた。
「失礼します。先ほど男の方がマリナ様にお会いしたいと受付にいらして、執事がマリナ様にはお会いになれないと説明しても納得されなくて今、警備が来るところなんです。
私、以前にこちらの部屋の掃除をしていてメモを拾った者ですが何か関係しているかも知れないと思って来ました。」
「あなたがあの時のメイドだったのね。
知らせに来てくれてありがとう。ちょっと事情があって、メモの事はシャルルには内緒にしておいてくれないかしら?」
メイドはキョトンとした顔をしていた。そうか、ミシェルに間違えて渡した事は彼女は知らないんだったわ。
「何でもないわ。とにかくシャルルに報告は無用よ。それでその人はまだ受付にいるの?」
「はい。玄関ホールでやりとりが続いてましたがもう警備の人達に追い出されているかもしれません。」
「分かったわ、ありがとう。」
きっとマルクだわ。ミシェルがアルディ家を正式に通せなんて言うから本当に来ちゃったんだ。
シャルルに話すタイミングを逃したままなのにマルクがお屋敷に来たのはとてもまずいじゃない。
「ティナを見ていてちょうだい。」
私はティナをメイドさんにお願いして玄関ホールまで降りていくとやっぱりマルクがいた。受付の二人と向かい合うようにしてマルクが立っていた。その両脇にはすでに警備員が付いていた。
「マリナに直接渡したい物があるんだ。渡したらすぐに帰るよ。」
それでもマルクは執事さんを説得しようとしていた。執事さんが連れ出すように目配せすると警備員たちはマルクの肩に手を充て背中を押すようにして玄関へと誘導し始める。
その時、廊下の向こうから白金色の髪をサラリと揺らしながらシャルルが歩いてきた。鼓動が早くなり息苦しくなってくる。
話す前にバレてしまう嘘の数々をどう説明すればいいのか私は考え始めていた。
「オレが代わりに話す。」
ミシェルだわ!
声を聞くまではすっかりシャルルだと思い込んでいた。観念した私は再び自分の口からシャルルに説明する機会が訪れる事に安堵していた。
「アルディ家を正式に通せと言ったのはオレだからな。だがマリナとは会わせられない。こっちへ来い。」
ミシェルの一言で集まってた人達も警備の人も何もなかった様に自分達の仕事へと戻っていった。
「マリナ様も自室へお戻り下さい。」
私に気付いた執事さんに促されて私も部屋へと戻った。
つづく
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シャルルがいない…(>_<)
どこへ行ってしまったんでしょう
そろそろシャルル見たいですよね?
見たい方はご一報下さい(笑)←冗談です