今、何時…? ふと私は目が覚めた。
振り返って時計を見ようとしたらベットに腰掛けているシャルルの背中が見えたの。
「おはよう、シャルル。今朝はずいぶんと早起きなのね。」
まだ9時前だったのよ。よっぽどの事がなければ11時までシャルルは起きないのにね。だけどシャルルは黙ったままだった。
「どうしたの?」
私は体を起こしてハッとした。見れば私は何も着ていなかったんだった。慌ててシーツを体に巻き付けて私はハイハイするみたいな格好でシャルルに近づいた。
そしてシャルルの顔を覗き込んだら何とも暗い顔していてびっくりした。
だってまるで心当たりがないんだもの。昨夜だってシャルルとその…仲良くしたのよ。それで起きてみたらこの状態だもの。
その時、シャルルがチラッと私の方を見て言ったの。
「君は昨夜、オレに背を向けてすぐに寝始めたんだ。オレはまるで君に拒絶されているようで堪らなくて眠れなかった。」
ポカン…
そんな音が聞こえるぐらい私は開いた口が塞がらなかった。
はあ…?
「そ、それは、あんたが私を疲れさせるからじゃない。」
シャルルは振り返ると私の手を掴んで引っ張るもんだから私はゴロンとひっくり返ってしまった。そこにシャルルがのし掛かってきた。私はうぎゃっと潰れたような声をあげた。少し身体を浮かせて隙間を作ると私を真っ直ぐに見つめる。
「オレに背を向けて眠る事は許さない」
シャルルはそっとおでこにキスをする。
「オレのそばから離れる事も許さない」
シャルルはそっと唇にキスをする。
「この先、オレを一人残していく事も許さない。」
シャルルはそっと私を抱き寄せる。
「今日からこれらをアルディ家家訓に入れる事にしよう。」
冗談交じりに言ったシャルルの唇に私からキスのお返しと私からの家訓もシャルルに提案した。
「私を一生離すことは許さないわ。
これも忘れずに家訓に入れておいてね。」
ふわっと笑うシャルルは天使のように綺麗でキラキラと輝いていた。
天使からの甘い誘惑を断る理由も見つからないまま私は再びベットに背中を預けシャルルの重みを感じた。
甘いくちづけが舞い降りてくる。シャルルに愛されている事を噛みしめていた。
「今日の仕事は休みにする。」
私たちは時間が経つのも忘れてお互いを
確かめ合った。
いつまでも離れられずに…。
離れることは許さないと言うかのように
fin
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みなさん、こんばんは(^o^)
ご訪問ありがとうございます
本編とは全く関係のない短編です。
甘い雰囲気が書きたくなって_φ(・_・
でもバカップルみたい?(笑)
二人の世界ですね(≧∇≦)
タイトルに書き込んだ瞬間のこの「許さない」の言葉の強さに私はびっくり。
怒り? そんなイメージの言葉ですが、この二人にとっては…
「愛の言葉」でした
こんな甘ったるい(笑)話を思いついたのも、連載中の【la douce pluie 21】が重いからかもしれません
と言うわけで次回21話はファン限定公開とさせて頂きます。
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