きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

心をこめて20

今日のディナーはとっても素敵なフルコースだったわ。
学会やらの話は聞かなかった。難しい話は苦手。シャルルも仕事の話はあまりしない。こうやって二人でディナーを出来るのは何より幸せだった。

お料理は美味しいし、シャルルが選んだワインはシャトーラフィットロスシルド。
私はワインに詳しくないけど、ボルドー五大シャトーの一つなのは聞いた事があった。
五杯目のグラスを開けた時、冷ややかな視線を感じながらシャルルに止められた。

「ワインはガブ飲みする物でもないし、
もう君は酔っているだろう。その辺でやめておけ。泥酔した女を抱く趣味はない。」

ポッ!私の頬はワインの所為だけじゃなく、恥ずかしさに赤くなってしまった。
な、なんてストレートな表現方法なんでしょう?

これじゃ、給仕係の人もお皿を落としそうになるわよっっ!!
私はみんなもそうだろうと思ったのよ。
公然と酔い過ぎたら抱かない…みたいな事をよく言うわね!って。

でもメイド達は無反応なのよっっ!!
と…私は驚いたんだけど、メイド達は居ないものだとして暮らすのが当たり前の世界だった。しかもここはフランス!!
恥じらいの日本人は私だけ…。
つまり、みんな何とも思ってないって事。私はこの生活に慣れるのかしら?!




食事が終わってシャルルの私室に戻った私たちは互いのワインの香りを堪能するかのように唇を味わった。
腰に回された腕が絡みつき、獲物を捉えた獣のように逃がさないと体を引き寄せ唇を割り込み舌が口内へ侵入した。

離れていた時間が長ければ長い程、想いは募り強く欲する。ふと腕が緩み、囚われの身に自由が与えられた。

「マリナはこの部屋のバスを使うといい。オレは向こうのバスを使う。上がったらシャンパンを用意させたから飲もう。」

妖艶な雰囲気を撒き散らしシャルルは隣室へと消えて行った。私は置き去りにされた気分でいた。甘く激しい口づけの余韻も冷めないまま、火照った体を温めのバスが包み込む。
完全にシャルルに酔ってしまった。
その夜、私はディナーの時に飲んだワインですっかり酔ってしまい、シャルルが呆れながらベットに運んでくれた。

「前にもこうして寝られた事があったな…」
そう呟くシャルルの声を聞きながら私は意識をなくした。

アルディ家を何日も留守にしていた為に翌日からシャルルは当主の仕事に追われていた。その間、私は庭先やバラ園、テラスなどを転々としながらスケッチに明け暮れていた。




つづく