きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

心をこめて(シャルル×マリナ)

心をこめて23 最終話

その日シャルルは本当にある意味、私を一日中放さなかった。 私は目を覚ますと、すっかり着替えてパソコンに向かっているシャルルが目に映った。ベットから起き上がってシャルルに近付いた。 「シャワーを浴びておいで。その間にこれを終わらせてしまうよ。…

心をこめて21

ジルから受け取ったシャルルへの贈り物のそれ…。 やっと渡す事ができる。 面と向かって渡すのは恥ずかしかったからシャルルが寝ている間にそっと枕元に置いてこようと思って、東の空が明るくなる頃、シャルルの寝室に忍び込んだ。 忍び込んだと言っても普通…

心をこめて20

今日のディナーはとっても素敵なフルコースだったわ。 学会やらの話は聞かなかった。難しい話は苦手。シャルルも仕事の話はあまりしない。こうやって二人でディナーを出来るのは何より幸せだった。 お料理は美味しいし、シャルルが選んだワインはシャトーラ…

心をこめて19

メッセージカードの件は忘れる事にして、帰ってきたらどうにかなるわよ。きっと…。 シャルルが戻るのは夕方って聞いていたからそれまでに私は中庭でスケッチをしたり部屋でデッサンしたりして過ごすことにしたの。 ランチも忘れそうになるほど夢中で描いてい…

心をこめて18

秋めいてきたパリの朝は少し肌寒く、今日で別邸に行くのも最後かと思うと急に寂しくなる私の胸の中を冷んやりとした風が通り過ぎるようだった。 通い慣れた道を歩き踏みしめるようにゆっくりと別邸へ向かう。 こうやって気軽に別邸へ来ることも本来なら出来…

心をこめて17

昨夜のシャルルからのメッセージカードの事が気になって、なかなか寝付けなかった。 おかげで今朝は寝不足で体が重い。 ベットでグズグズといつまでもしていると痺れを切らしたジルが起こしに来た。 「マリナさん、おはようございます。 昨夜は私が仕事を済…

心をこめて16

ミシェルはワゴンの上からシャンパンを取ると私にグラスを持たせて注ぎ、自分の分も入れて、パッと輝くような笑顔を向けて言った。 「こうしてマリナちゃんと過ごす事はもうないと思っていたけど嬉しいよ。 さあ、ルイ・ロデレールクリスタルで乾杯しよう。…

心をこめて15

メイド姿も板に付き明日でジルとの約束も終わる。今日の午後もやっぱりアルディ家の歴史の勉強…。旧公爵家だけあって歴史が長いのよ!長すぎるっっ! 何度教えてもらっても名前が覚えられない。 「……オリビエ・ドゥ・アルディ、えっと、ル、ルパート、いやル…

心をこめて14

昨夜の突然のシャルルの帰宅と今朝のジルの話と色々な想いを抱きながら私はミシェルの別邸へといつもより少し遅れて向かってた。 慣れてきた私はメイド服選びも楽しむようになっていたの。今日は緋色よ。ミシェルは悪戯心から何色ものメイド服を用意したのは…

心をこめて13 J-side

マリナさんがいつもなら帰る時間になっても別邸から戻って来ない。 あと数分待って戻らなかったら私自身が足を運ばなければいけないと思っていた。 私はシャルルとWeb電話をした後にミシェルの警護レベルを上げる為にSPを手配していた。今回は敷地内での警護…

心をこめて12

カーテンの隙間から朝が訪れたことを告げる光りが差し込み私は目覚めた。 もう隣に温もりはなかった。 朝が来るとすぐにローマへ発ったのね。すごく早起きして。いや、シャルルは眠らなかったのかしら? ベットから抜け出すとテーブルには綺麗な日本語で書か…

心をこめて11

目が覚めると優しく私を見つめるシャルルの視線とぶつかった。 やだ、寝顔を見ていたのかしら? 視線を反らして下を向くと今度は目の前に彼の逞しい胸があってますます恥ずかしくなる。 私はシャルルの腕枕で眠っていたようで反対の腕は私の背中に回されてい…

心をこめて10

シャルルとの電話が終わって少しテラスで風にあたっていた。夏も終わりに近づき澄んだ空気が少し冷んやりとしていた。どれ位そうしていたんだろう。夜のパリの空を眺めていると涙が溢れ出しそうだった。シャルルを想うと胸が苦しくなった。 しばらく風にあた…

心をこめて9

私はアニーの仕事が終わるのを待って本邸へと送ってもらった。アルコールも入っていたから車でピューンとね。 やっぱり車だと楽ちんね。毎回送迎してくれないかしら?アニーに相談してみたんだけど冷やかな視線が帰ってきた。 「日中は目立つのでダメですよ…

心をこめて8

別邸でのメイドの仕事も何とか終わり、勉強の疲れもあって本邸へ戻るとクタクタで私は部屋でうたた寝をしていた。 小さなシャルルとミシェルが仲良く遊んでいる夢を見ていた。二人は夢中になってお絵かきをしている。周りには何枚も紙はあるのに、一つの紙で…

心をこめて7

別邸に一人で行くのにも慣れてきた私はすっかりお散歩気分だった。 別邸に着くと控え室に向かいクローゼットの前で毎回悩んでしまう…。 今日はどのメイド服にしよう。 私は薄ピンクのメイド服に着替えて鏡の前でくるっと回ってみた。 とっても可愛らしい。た…

心をこめて6 J-side

マリナさんが慌ただしく私の部屋へやって来て扉をノックしてきた。 自分がブレスレットを付けたままで別邸へ行ってしまった事に気付いたようだった。 この数時間前、シャルルはブレスレットからのGPSが本邸以外から発信されてる事に気付き、私に電話をしてき…

心をこめて5

ミシェルは私に仕事の説明をすると立ち上がり私に近づいて来た。 「兄上様に内密でこの館へメイドとしてくるなんて君は変わってるな。 仕事なんかしなくたって兄上様の婚約者だったら何でも手に入るだろうに。オレも君に興味が湧いてきたよ。」 私の顎に手を…

心をこめて 4

私はとにかくメイド服ばかりのクローゼットから深紅の膝上丈の半袖ワンピースとレースを施した白のエプロンを着た。 まさにメイド!!恥ずかしいわっっ! ずっと部屋に居るわけにもいかないので言われた通りに電話を掛けた。 部屋で待っているとカーラさんが…

心をこめて3

いよいよその日が来た。 朝が苦手なシャルルも今朝は早くから支度をしていた。私はしばらく会えなくなってしまうシャルルの見送りの為に居室へと向かった。中へ入るとダークグレーのスーツに身を包んだシャルルが長い足を組んでソファに腰掛けて学会の資料ら…

心をこめて2

朝食が終わると私はスケッチブックを手に庭へ来ていた。 アルディ家の本邸の庭ってかなり広くて様々な草木や花が庭師によって、綺麗に整えられているの。私は気が向いた時にここに来てはスケッチをする。 奥にはバラ園もあって温室の中でしっかりと管理され…

心をこめて 序章

私は左手首に輝くブレスレットをじっと眺めながら、シャルルにはたくさんの物を貰ってるけど私は何もしてあげてないなって改めて思っていた。 このブレスレット、もちろんレコーダー機能は断固拒否して外してもらったわ。GPSだけはシャルルが私の安全の為だ…