きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

創作 1マリナ編

まだシャルルと出会ってまもない頃、私と和矢とパリへ来た時の話。


ーー和矢と私はお互いに惹かれ合いながらも気持ちを打ち明ける事も出来ずにいた。
偶然まんがの取材を頼まれた私が和矢を誘ってみたの。
「パリを案内して欲しい」と。夏休みだったし、シャルルにも会ってなかったから顔でも出そうと思ったみたいで付いてきてくれる事になった。

空港に着いてホテルへと荷物を置きに行くことにした。和矢がフロントで手続きをしてくれてる間、私はロビーにあるフカフカのソファへ座る。飛行機の移動はしんどい。12時間は超える旅にぐったりだった。その時いきなり私の隣にドッカリと座る長身の男の人にビックリした。

「よう、マリナちゃん。パリに来てもやっぱりチビは変わらないな。」
と、素敵なテナーが聞こえてきた。これは、この人を小馬鹿にした言い方をするのは、薫しかいない。
「薫っっ!!あんた、こんなとこまで私にチビって言いに来たんじゃないでしょうね?!」

私がまくし立てて話すとパリで開かれるバイオリンのリサイタルに出るためだと教えてくれた。
そういう事ね。なら許すわ。
あれ?何か違うような気もするけど…。
何を怒っていたのか忘れてしまった私は薫もここのホテルを利用していることを知ったの。久しぶりに話したいわって私が言うと薫は快く聞いてくれた。

「リサイタルは来週なんだ。早めにパリに入って体調を整えたかったから時間はたくさんある。今夜は空いているのかい?マリナちゃん。あたしと過ごそうぜ。楽しい二人の夜に乾杯しないとな。」
にやっと笑ったその艶やかさに惑わされかけていると後ろから和矢が声を掛けてきた。

「久しぶりだな、響谷。リサイタルか何かか?お前もここに泊まってるのか?
そうだマリナ、部屋は8階だよ。805と806だよ。隣だから困った事があったらすぐにオレを呼ぶんだよ。とにかく荷物を置きに行こう。これがカードキーだ。無くすと入れなくなるからな。」

私たちはそれぞれの部屋へ入り、薫と後で会う約束をして別れた。
今日はのんびりして明日から取材をすることにした。ディナーの時間になったら和矢が迎えに来ることになっていた。

ずっと飛行機で座っていたから体のあちこちが痛い。バスに入って体を温めると疲れも取れた気がする。ドレスコードのレストランだからきちんと着替えてくるように和矢に言われていた。
甘すぎないピンクのワンピース。首元で結ぶリボンと裾の部分の花が可愛らしい物を選んだ。すぐに和矢がチャイムを鳴らし、呼びにきた。
最上階のレストランでディナーをした。
私1人だったら絶対に来れなかったはずだわ。来たとしても頼めなかったわ!
和矢はすらすらとコースを注文してくれたけど私にはフランス語だからちんぷんかんぷん。さすが日仏ハーフだわ。和矢に来てもらって正解だったわね。

ご馳走さまをして明日の10時にロビーで待ち合わせって事で和矢と部屋の前で分かれた。私は薫の泊まる部屋の番号をフロントの人からメモで受け取ると向かった。言っても忘れそうだからフロントメモを貰いに行くように言われていた。
馬鹿にしすぎじゃない?!
しかしさすが彼女もお金持ちのご令嬢。50階ってかなり上のクラスじゃない?
5002…ここね。チャイムを鳴らすとインターホンから薫の声がする。フランス語なのか分からないので私は叫んだ。
「私よマリナ。薫、開けてちょうだい。」
ガチャと扉があいた。
私は中に入れてもらうと自分の部屋の広さの倍はあるんじゃないかって広さと豪華さに感動した。

「上の階はこんなに素敵な部屋なのね。
私みたいな凡人には一生、縁がないわよ。
こうして今夜、薫に呼ばれなかったら見ることもなかったわね。」

滞在期間中に狭い部屋にいるとストレスにもなるし、ここは防音の部屋で、バイオリンの練習も出来るからパリに来る時はいつもこの部屋なんだって。
住む世界の違いをしみじみ感じた。私はこんな素晴らしい彼女と親友だったことを喜んだ。

「あんたと親友でよかったわ。
こんな素敵な部屋に私を呼んでくれてありがとうっっ!」

そう言うと不敵な笑みを浮かべて薫が私の腰に手を回すと
「マリナちゃんと素敵な夜を過ごすにはもってこいだろ?奥にはキングのベットもある。二人で楽しむには充分な広さだ。
今夜は眠らせないぜっ!」
言いながら角度をつけて迫りくる唇の艶やかなこと。私は見惚れてぼーっとしてると
「何て顔をしているんだい?本当に奪っちまいそうになるじゃないか。」

や、やめてー!変な雰囲気を出さないでちょうだいっっ!

私たちは朝方まで飲み続け兄上の事、和矢の事、自分自身の話をとめどもなく話してるうちに私は眠くなり部屋に戻るのも面倒で薫のベットをお借りした。と言っても私の記憶はなくて薫がベットまで運んでくれたの。ドレスのままだと苦しいだろうと思って脱がせて下着姿のまま、シーツで包んでくれたみたいだった。


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