きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

心をこめて14

昨夜の突然のシャルルの帰宅と今朝のジルの話と色々な想いを抱きながら私はミシェルの別邸へといつもより少し遅れて向かってた。

慣れてきた私はメイド服選びも楽しむようになっていたの。今日は緋色よ。ミシェルは悪戯心から何色ものメイド服を用意したのはもう分かっていた。
天才と言われながらする事はいたずらっ子で可笑しかった。やっぱりどこかシャルルと同じね。双子だもの。当然よね。
育った環境は違っても根本は一緒なはずよ。

あと5日で何かが出来るかは分からないけど私の中でシャルルとミシェルの一緒の生活を思い描くようになっていたの。
でもどっちがどっちか分からなくて困るかしら?
二人に色違いの服を用意すれば問題なしね!それともイニシャル入りの服とか…
でもそれって二人から冷凍ビームかしら?やだわっっ!一人でも凍りそうなのにどうなっちゃうのかしらっっ?
私の妄想はどこまでも終わりがなかった。

妄想している私にアニーが話しかけてきて現実に引き戻される。
もうこんな時間じゃないっっ!
あーーっっ!!お花を選ばなきゃーっっ!もっと早く声を掛けてよねっ!!


ミシェルのお茶の時間。今日、私が選んだのはウバ・ウヴァ。
カップに紅茶を注ぎミシェルの前に置くと神経質そうな細い指でカップを掴み口元へと運んだ。
「今日はウバ・ウヴァかい?
世界三大紅茶の一つだね。メントール風の爽やかさがいいね。ミルクティーに仕上げたのもいい。
マリナちゃん、随分と勉強したみたいだね。」

そんな風に言われて私は少し照れる。
何日も飽きるほど覚えさせられたのが役にたったのね! 怖いのはメイドの仕事が終わった途端、忘れてしまいそうってことよ!なんせ私の脳みそは覚えておくって事をあまりしてくれないのよー!
凡人っていやだわ。毎日のようにシャルルやミシェルといると自分の頭は本当にただの飾りなんじゃないかって思うわ。

時間が経つと忘れるのって普通じゃないのかしら?!
やだっっ!私ったら普通でもないの?!

私は思わずミシェルに
「ねぇ、やっぱり私って普通じゃないのかしら?」
と聞いてみるとミシェルは青灰色の目を細めながら微笑んでこちらを見ると

「そうだね。君は普通ではないとオレも思うよ。そんな風に思ってはいけないんだろうが…。仕方が無い。同じ遺伝子がそう思わせるのか。」

私に話すという感じではなく独り言のようにミシェルは呟いた。

私はよく分からなかったけど、ミシェルから見ても普通じゃないって言われた事にショックを受け、ランチは二人前しか食べられなかった…。






つづく。