きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

2023-01-01から1年間の記事一覧

最近のこと(近況について)

みなさん、こんにちはお久しぶりです。少し休んでGWが明けた頃にでも新作をスタートできたらと思っていましたが、気づけばもう6月じゃんっ?!…Σ(゚д゚lll)なのにまだ形にもできていませんいくつかプランはあるけれど決めきれず、あちこちに気が散ってしまう…

愛のかけらを掴むまで 21 最終話

ミカエリス家との取引はフランス東部アルザス地方の中心ストラスブールとドイツのケールという町の間を流れるライン川の近くにある聖ノーストラナス寺院内で行われることになった。昨日、シャルルの部屋で鳴り続けていた電話はどうやらこの件だったらしい。 …

愛のかけらを掴むまで 19

みなさん、こんにちは!今回は20話を限定記事にしました。分断するのが大変なので19話、20話と続けて更新します。 はてなブログの方は限定記事を掲載できないため、お読みになるにはライブドアブログへ行っていただく必要があります。 その際パスワードが必…

愛のかけらを掴むまで 18

あたしの頬に触れていた手が後頭部へと回され、シャルルがゆっくりと頬を傾けてきた。 「ん……っ……」 その言葉通りの情熱的なキスとシャルルから漏れる吐息に溶けそうになる。優しく甘いキスに酔わされていると、名残惜しそうに唇が離れ、シャルルがじっとあ…

愛のかけらを掴むまで 17

パリに戻ってきた頃には辺りはすっかり暗くなっていた。お屋敷に着くとすぐにシャルルは希少庫の鍵を私室の金庫にしまい、ホッとした様子だった。 「これで明後日の取引に間に合わせることができるよ。これもすべて君のおかげだ」 言いながらシャルルはキッ…

愛のかけらを掴むまで 16

「どうして?君達は惹かれ合ってたじゃないか。だからオレは……それなのに、なぜ?!」 シャルルは自分が身を引いたとはあえて言わずに言葉を濁した。あたしの心の負担を考えてくれてるんだ。 「あんたのことが忘れられなくて」 シャルルは信じられないって顔…

愛のかけらを掴むまで 15

それってまさか。あたしはシャルルの腕の中から抜け出し、シャルルを見上げた。そこへ救急隊の人達が駆けつけてきた。 「ケガをしたのはどちらの方ですか?」 一気に緊迫した空気に包まれた。すると救急隊の人にシャルルがフランス語で答えた。 ーー何も問題…

愛のかけらを掴むまで 14

見送られながらあたしは後ろ向きで進んで行くとすぐに格子状の床を感じた。あたしはそれを持ち上げて横においた。覗き込むとちょうど真下にチェストらしきものが見えた。懐中電灯を取り出して部屋の中を照らしてみた。部屋は窓もなくてライトが当たらない隅…

愛のかけらを掴むまで 13

アデリーヌが準備してくれている間にあたしはシャルルから鍵の場所を教わった。「時計のちょうど反対側に仕掛けの歯車がある。その歯車の部分にスライドすれば開く小さな箱が内臓されている。その中に鍵を隠した。真鍮色の古い物だから見ればすぐにわかると…

愛のかけらを掴むまで 12

シャルルは図書室の奥の部屋に鍵を隠したと言っていた。柱時計の仕掛けで出入りできるあの部屋だわ。あたし達はアデリーヌと一緒にそこへ向かった。すると以前とは雰囲気の違うドアに変わっていた。 「ドアを変えたのか?」 「ええ、ずいぶん前に。あなたが…

愛のかけらを掴むまで 11

翌日、あたしはシャルルと一緒にオルレアンに行くことになった。多くの時間を共に過ごすことが、あたしとの記憶の糸口になるとシャルルは考えたんだ。あたしもシャルルが早く思い出せるように精一杯頑張ろうと思った。アデリーヌの住むお屋敷に着いたのはお…

愛のかけらを掴むまで 10

「オレはなぜ一人で逃げずに君を連れて……」 あたしに聞いているというより、自分に問いかけているようだった。あたしを連れて行くことになった理由は覚えてないんだ。 「マリナ、君は一体……」 この呟きがあたしにはシャルルが救ってくれと言っているように聞…

愛のかけらを掴むまで 9

シャルルはフェリックスの肩を掴んであたしから引き離すと、あたしを自分の方へと引き寄せた。 「大丈夫か?」 あたしは頷いた。フェリックスは気まずい様子で俯いたままだった。 「フェリックス、ちょっといいかしら?」 後から来たジルがあたし達の様子を…

愛のかけらを掴むまで 8

ぼんやりとバラの花を眺めているとドアが開く音がした。振り返るとそこには息を切らしたフェリックスがいた。 「ここにいたのか。シャルル様にマリナの所へ行けって言われたけどどうなってる?」 「すっかり誤解されてるみたいね。シャルルに電話で呼ばれた…

愛のかけらを掴むまで 7

「どうして全部話さなかったんだ?」 「仕方ないでしょ。怖いんだもん」 フェリックスは呆れたと言わんばかりの顔をした。 「チャンスだとは思わなかったの?」 「シャルルって呼んでいいって言われただけで今日は十分よ」 「泣いたくせに?」 部屋に戻って…

愛のかけらを掴むまで 6

あたしはその手紙を握りしめて、隣のフェリックスの部屋に走った。 ほんの数行のものだけど、なんと全部フランス語。日本語で書きなさいよ、と思いながらここに来てから初めてのシャルルからあたしへの絡みに嬉しくなった。 「フェリックス!フェリックス!…

愛のかけらを掴むまで 5

透き通るような声はどこまでも冷たく響いた。慌てたようにフェリックスはあたしから離れた。 「あくまでも介抱です」 凛とした言葉に違和感しかなかった。これはさっき言ってたフェリックスの作戦なんだ。あたしはハラハラしながらその様子を見守った。 「オ…

愛のかけらを掴むまで 4

フェリックスと市内に向かい、あれこれ見て回ってある程度の物は買い揃えた。最低限必要な服と下着、それと紙とペン。ここに残ると決めたから。絵を描くことが好きなら気晴らしにするといいと言ってフェリックスは画材店にも立ち寄ってくれた。お屋敷に戻る…

愛のかけらを掴むまで 3

その日、あたしはアルディ家のゲストルームに泊まることになった。ジルの家では日本語を使う習慣がなくて、何かと不便だからという理由からだった。ここなら部屋はいくつもあるし、何より全員が日本語を話すことができる。セキュリティの面でも本家の方が安…

愛のかけらを掴むまで 2

玄関を入ったすぐの所に警備員が二人立っていた。ジルを見るなり「おかえりなさいませ」と声をかけてきた。あたしも何となくお辞儀だけして通りすぎた。前に来た時とは違って呼び止められることもなかった。きっとジルと一緒だから通してくれたんだわ。 「マ…

愛のかけらを掴むまで 1

ぼんやりと窓の外を眺めていた。どこまでも続く白い雲は、まるでふわふわの絨毯のようだった。機内アナウンスが流れる頃には、雲の切れ間から遠くに大地が見えてきた。 胸の鼓動が騒がしく、あたしは落ち着かない気持ちのままシートベルトに手を伸ばした。12…

夢の果てに 21

朝方、ふと目が覚めた。 昨夜はあたし、シャルルと……。それにあの後って?記憶は曖昧だったけどまだ体には感覚が残っている。隣を見るとシャルルは静かに眠っていた。寝顔はまるで天使のように綺麗だわ。シャルルとまた会えたこと、こうして隣にいられる事が…

夢の果てに 20

シャルルの誕生日に限定記事(//∇//)タイミングが良いのか、悪いのか 今回のお話は大人の表現が含まれているため、ライブドアブログでのみ限定公開しています。 ご覧になるにはパスワード申請が必要になります。 申請方法についてはライブドアブログのトップ…

夢の果てに 19

みなさん、こんばんわ!今回は後半に少しだけ大人の表現があります。直接的な表現はありませんが、読み進める際はご注意下さい。 なお、20話は完全に大人の表現になっているので限定記事になります。同時進行しているライブドアブログにてパスワード申請の上…

夢の果てに 18

シャルルは結婚してない?!そうだ、あの電話!あたしはてっきりシャルルが奥さんと話してるんだと思い込んじゃったけどジルだったんだ。結婚してるって聞いた時、もう二度と手の届かない所へ行ってしまったんだと思った。あたしは手を伸ばし、シャルルの手…

夢の果てに 17

マリナの動向を調べるうちに和矢と別れていたという事実を知った。漫画は相変わらず売れていないようだったが、ジルがお節介にも日本からマリナの作品が載っている雑誌を取り寄せるようになったのもその頃だった。それも数ヶ月に1.2冊ほどで、内容もつまらな…

夢の果てに 16

あの口ぶりだと、どうやら本当に高久とは何もないようだ。 ホッとする反面、男を部屋に上げ、ましてや一緒に暮らすなど一体何を考えているのかと腹立たしかった。少し手荒ではあったが、あれぐらいしないと、きっとマリナはわからない。一度経験した恐怖は心…

夢の果てに 15

執務机に置かれた一冊の本を手にした瞬間、オレは目を見張った。その後のマリナの動向が気にかかり、調べさせていたんだが。 「少女漫画からこちらへジャンル変えをしたようですね。しかもここに出てくる天才シャール、人気らしく売れ行きも好調のようですよ…

夢の果てに 14

「曲者呼ばわりかい?」 え?驚ろかすつもりが逆にこっちがびっくりよ。 「あんたパリに帰ったんじゃなかったの?」 「帰った方が良かったか?」 「そうじゃないけど」 続く言葉が見つからずにあたしは俯いた。てっきり帰ったとばかり思っていたから、さっき…

夢の果てに 13

マンションの近くをぶらぶらと歩いてみることにした。駅を挟んだこっち側はあまり来たことがなかったから新鮮だった。向こう側は商店街もあって下町って感じだったけどこっちはビルやマンションが立ち並ぶ近代的な感じだわ。たまたま見つけたコンビニでお茶…