みなさん、こんにちは!
今回は20話を限定記事にしました。
分断するのが大変なので19話、20話と続けて更新します。
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次回21話までお待ちください。
Twitterでの投票に参加して下さった方、ありがとうございました😊
参考にさせていただきました🥰
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これを飲み終えたらと思うと心臓がドキドキする。自然と飲むペースもゆっくりになった。
先延ばしにしたところで変わりはしないんだろうけど、心の準備がまだなのよ。
あたしはわずかに残ったワインを揺らしながら手の中でグラスを弄んでいると、シャルルの手がそっとあたしの背中に触れた。
「どうした?気分でも悪くなった?」
心配そうに言われてあたしは首を振った。
まさかこの後のことを考えてたなんて言えない。
「ううん、だ、大丈夫よ」
緊張のせいか思わず吃ってしまった。
するとシャルルがあたしの手からグラスを取るとテーブルに置いた。
「その辺でやめておいた方が良い」
そしてすっと立ち上がると、キッチンへ向かい、ペットボトルを手に戻ってきた。
「少し水分を摂った方がいい。あと、これも」
ペットボトルと一緒に差し出された銀色の包装シートを受け取ったあたしはシャルルを見た。
「薬?」
「いや、ビタミン剤だよ。アルコールの分解を促進してくれる。そんなに量は飲んでないと思ったけど念のためだ。頭痛とかむかつきとかはない?薬もあるけど」
そっか。
シャルルはあたしが酔ったと思って心配してくれたんだ。
「本当に大丈夫だから」
「でも一応、飲んでおくといい。きっと目覚めが違うから」
シャルルがそんなに言うならと、あたしは錠剤を取り出して口に放り込み、水で流し込んだ。
「よし、そしたら部屋まで送るよ」
そう言ってシャルルが立ち上がった。
えっと。
何となくだけど今夜はここでシャルルと一緒に過ごすと思っていた。
あたしは急に離れるのが寂しくなって思わずシャルルのシャツの裾を掴んだ。
「どうした?気持ち悪い?」
シャルルが心配そうに隣に座ってあたしを覗き込んだ。
「そうじゃなくて」
部屋に戻りたくないとは言えなかった。
それを言ったらまるであたしが誘ってるみたいになるじゃない。
カーっと頬が熱くなってあたしは俯いた。
するとシャルルはいきなりあたしを抱え上げた。
「シャルルっ?!」
「そんな顔されたら、もう我慢しないよ」
シャルルは徐に歩き出すと寝室のドアを開けた。
そしてベットの上にあたしを下ろした。
「えっ?いや、待って」
このまま部屋に戻るのは寂しいと思ったけど、突然の展開にあたしは狼狽えた。
「言っただろう?もう我慢しないって」
シャルルの艶っぽい瞳の奥に情熱の炎が燻っているのがわかって、あたしは焦った。
だけどまだ心の準備ができてないわ。
「待って、シャルル。シャワーもまだだし」
「わかった。それなら先にいいよ。浴室はここを出て左側の二番目だよ」
「あ、うん」
こうなったらもう行くしかないと腹を決めてあたしは寝室を出た。
言われた通りに左のドアを開けると、大理石の大きな洗面台と浴室につながるドアがあった。
備え付けの棚には大きさの違う真新しい白いタオルが何枚も置いてあった。あたしは脱いだ服を畳んで床に置き、タオルを一枚借りて浴室のドアを開けた。
ワイン色の壁と金色で縁取られた浴室はとても上品で落ち着きのある雰囲気だった。
浴槽も一人で入るには余るほどの広さだった。
シャワーの前の棚には6種類のボトルとボディタオルの入ったパッケージや、髪ゴム、ブラシなど個包装された物がいくつか置いてあった。
まるでホテルだわ。
これ全部使い捨て?
少しもらって帰ろうかしら。
なんて贅沢なんだろうと思ったけど、お金持ちってみんなそうなのかもしれないと変に納得してしまった。
ビリビリっと封を開けてボディタオルを取り出し、ボディソープらしきボトルをプッシュした。揉み込むと、きめ細かな泡が立ち始めた。シャンプーかもしれないけど、まぁどっちでもいいか。
この後のことを考えると普段よりゴシゴシ洗ってしまった。
泡を洗い流し、今度は髪をシャワーで濡らした。黄色のボトルをプッシュし、手のひらで擦ってみたら、やっぱり泡立ち始めた。匂いもいいし、まぁいいかと髪に撫でつけた。
きっとシャルルが使ってるやつならボディソープでも髪がゴワゴワしなさそうよね。
洗い流した後、さすがにリンスは慎重に選ぶ必要があった。
ピンクをプッシュして手のひらで擦り合わせると残念。ふわふわの泡ができてしまった。それをシャワーで流し、次に紫色のボトルに手を伸ばした。今度はしっとりとしていて泡立たない。
きっとリンスかトリートメントね。手触りというか髪感触がたまらない。
洗い流している最中も髪がしっとりとまとまっていく。
一通りの作業を終えて、あたしは浴槽に使った。ボコボコと泡が立っていて心地がいい。
そこらのホテルよりもよっぽど豪華だわ。
ほっこりしていると突然、浴室のドアが開いた。
つづく