きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

春風よ君に届け

春風よ君に届け あとがき

みなさん、こんばんは 「春風よ君に届け」無事に完結することができました。 読みに来て下さったみなさん、ナイスやコメントを下さったみなさん、本当にありがとうございました✨ このお話は去年の9月に10万HIT感謝企画としてリクエストをいただいたものでし…

春風よ君に届け19話(最終話)

「ブル ボン家のアンリ 4世がフランス国王として即位した1589年からブルボン朝が始まる。1792年に一時中断するものの1814年から再び1830年まで続く。ここまではいいよな?」 あたしはいつものように頭を抱え込み、ミシェルはため息をついた。勉強を始めてか…

春風よ君に届け18

「ちょっとシャルルどういうこと?ダニエル、あんたもグルだったの?!」 「いえっ、私は何も……」 助手席に座るダニエルはあたしを振り返り困惑しながら否定した。 「今回の件はダニエルには何も話していない。知っていたのはオレと彼らだけだ」 「どうして…

春風よ君に届け17

玄関が勢いよく開かれ、ミシェルとアネットが飛び出してきた。 「ミシェル達だわ!」 ミシェルは後ろを気にしながらアネットの手を引いてこちらへ向かって走って来る。 後を追うように男達も次々と姿を見せた。 二人は逃げてきたんだ。 「シャルル様、ここは…

春風よ君に届け16

平日にもかかわらず市内はあちこちで渋滞が発生していた。走り出したかと思えば止まり、またトロトロと走り出すを繰り返していた。 あたしは前の車は一体何をしているのかと身を乗り出してみたり、隣の車線の方が少しでも早いんじゃないかと落ち着かずにして…

春風よ君に届け15

「そう来たか……」 シャルルは執務机に片肘をつき、顎に手を充てるとパソコンを操作しながらそう呟いた。 「どうかしたの?」 「ミシェルのGPSがこの屋敷の中から反応している。自分で外したか、あるいは犯人によって外されたのか。どちらにしろミシェルは身…

春風よ君に届け14

脱出経路を把握するため、オレはこの部屋と玄関の詳しい位置関係をアネットに確認した。 すると意外にもここはオレが考えていたような地下ではなく、二階の一室だということがわかった。 「そうか。道理でドアには錆一つないわけだ」 窓がないことですっかり…

春風よ君に届け13

「マルグリット島は譲渡できない」 奴らが部屋を出て行くのを見届けてオレはそう切り出した。 アネットは頬をこわばらせ、息を呑んだ。 目にはうっすらと涙を浮かばせ、それを隠すように何度も瞳を瞬かせた。 「やだ、私ったら」 アネットは慌てて涙を拭うと…

春風よ君に届け12

拐われているという状況は変わらないが少しは安心したのか、アネットの表情がだいぶ柔らかくなった。 「奴らがいつ、どんな交渉をしてくるのかはわからないが、それまで体力は温存しておけ」 オレはドアから少し離れたデスクチェアに、そしてアネットはベッ…

春風よ君に届け11

ぼんやりとした視界には見慣れない天井と不安げな顔をしたアネットの姿があった。 「ミシェルさん大丈夫ですか?」 自分が捕らわれの身でありながらベットに寝かされていることに少し驚いた。 まったくアルディ家当主はこんな時まで手厚い待遇を受けるのか。…

春風よ君に届け10

マリナのペンの天冠にアルディ家の紋章が入っていたのは知っていたが、まさかイニシャル入りとはまったくあいつも趣味が悪い。 おそらくクリップ部分には得意のGPSを搭載しているはずだ。 思わず自分の腕時計に目をやり、ソファに投げた。 そんなこととも知…

春風よ君に届け9

「アネットなんじゃない?!」 あたしが部屋にいなかったからアネットはきっと図書室へ行ったんだわ。あそこはミシェルの執務室からそれほど離れていない。 もしかしたらミシェルを拐おうとした所にアネットがちょうど通りかかって、それで巻き込まれたのか…

春風よ君に届け8

手を引かれ、連れて来られたのはシャルルの執務室だった。 部屋に入るとシャルルは普段自分が座っている本革のプレジデントチェアに座るように促した。あたしが言われるがままにそこへ座ると自分の方へとくるりと回し、肘掛けに両手を乗せて少し屈むとあたし…

春風よ君に届け7

今日は週に一度、アネットが来る日。 あたしはミシェルとの勉強を終えてアネットが図書室に来るのを今か今かと待っていた。 「じゃ、オレは行くぞ」 ミシェルはいつものようにメイドさんに本を片付けるように言いつけると図書室を出て行こうとした。 「あっ…

春風よ君に届け6

アネットがあのイルカの置物をミシェルに渡すのはおそらく次にあたしに会いに来る時だわ。 アネットはあたしがミシェルとの勉強を終わる時間にはいつも部屋まで来てくれる。 だけどこの前みたいに少し遅くなったりすると図書室まできっと来るはずだわ。 その…

春風よ君に届け5

執事さんから連絡をもらったあたしはさっそくミシェルの執務室へと向かった。 この時間ならまだ自分の部屋には帰ってないはずだわ。 ところがノックをしても返事がない。 とりあえず入ってみることにしてそっと扉を開けた。 「入るわよ」小声で言いながら中…

春風よ君に届け4

お屋敷に戻り、アネットと別れたあたしはお土産を手にシャルルの執務室へと向かった。 ノックをすると部屋の向こうから「入れ」と冷たい声が聞こえた。シャルルの仕事中にあたしがここに来ることはあまりない。きっと仕事関係の人だと思ったんだわ。 あたし…

春風よ君に届け3

「まぁっ!マリナさん、ミシェルさん、どうされたんですか?」 薄茶色のくりっとした瞳をまん丸にして壁際にいるあたし達を見たアネットは声をあげた。 ミシェルはあたしを掴んでいた手を解き、あたしも慌ててミシェルから離れた。 彼女はジルのリセの頃から…

春風よ君に届け2

今日はフランク王国の二番目の王朝、カロタング朝について頭から煙が出そうなほどミシェルに詰め込まれた。 「ピピヨン三世の没後、長子カール大帝と弟カルスマンによって共同統治されていたがこの二人は不仲であったと言われている。実際には国は二つに分断…

春風よ君に届け1

みなさん、こんばんは! 今回のお話は10万HITリクエスト創作です。ミシェルを絡めたお話になりますが、原作とイメージが違い、違和感があるかもしれません。 そういった物が苦手な方はご注意ください。これ誰??イメージが崩れた…となられても責任は負えま…