きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

夢から覚めて21

バスタブに浸かってだいぶ経ったと思う。上がろう上がろうと思いながらなかなか出られずにいた。
ジャグジーが心地よく体を揺らしていたのも最初だけでもう熱くて限界だわ。
あたしは心を決めて白桃色のお湯から立ち上がった。
脱衣所には真新しいバスローブが用意されていた。体を包む柔らかな生地はあたしにぴったりのサイズだった。きっとシャルルが用意してくれたんだわ。
それなのにあたしが躊躇っているのが分かって無理しなくていいって言ってくれたんだ。
シャルルはいつだって自分の事は後回しであたしを優先してくれる。
だけどあたしは無理なんかしてない。あたしがシャルルとそうなりたいの。



あたしはさっと髪を乾かしてバスルームを後にした。リビングにはシャルルの姿はなくてあたしは寝室に向かった。
一歩中に入ると間接照明の暖色の灯りが部屋全体に広がっていて昨日とはまるで違う雰囲気に胸がドキドキした。
シャルルはベットに横になり腕を頭の後ろで組んで枕にして天井を見つめていた。
シャルルはあたしに気づくと腕を解き、肘をついて半身を起こした。


「マリナおいで。」


そう言って右手でデュベをまくり、突っ立ったままのあたしに声を掛けた。

「あまりにも遅いから様子を見に行こうと思っていたところだよ。」


不安とか期待とかいろんな思いを抱きつつもあたしはベットに歩み寄って腰を下ろした。

「ジャグジーが気持ち良くてつい長湯しちゃった。」


振り返りながら言うとシャルルはあたしの腰に腕を回して強く引き寄せた。


「きゃっ」


あたしはくるりと転がりバランスを崩してシャルルの逞しい胸に飛び込んでしまった。シャルルのバスローブの胸元が着崩れて露わになった素肌をあたしは頬に感じでもうドキドキが止まらない。


「これからは好きなだけ入るといい。今日からこの部屋が君の部屋だからね。
もちろんオレも一緒だ。
オレは君にまだ迷いがないかずっと不安だった。だから触れられずにいた。
君を知ってしまったら戻れないと思っていた。だが今朝、君の想いを知り、オレは決めた。」

そう言ってあたしを仰向けにしてシャルルはあたしの顔の横に手を置くとまだ乾ききってない白金の髪をあたしの上にこぼしながら言った。

「もう二度とその手を離しはしない。
今夜、君をオレのものにするよ。」

この一ヶ月間シャルルがあたしに触れなかった理由が分かった。そして痛いほどシャルルの想いを知ってあたしは涙をこぼした。

「シャルル、あの時あんたを選ばなくてごめんね。あたしを許して。でももう二度と間違えたりしないわ。
あたしが愛しているのはシャルル、あんただけだわ。」

食い入るようにあたしを見つめるシャルルの瞳が流星のように一瞬だけ光ったように見えた。
シャルルはあたしがパリに来てからもずっと不安だったんだ。いつかまたあたしがさよならを言い出すかもしれないって思いながら過ごしていたと思うとたまらなかった。

「マリナ…愛してる。オレの想いは永遠に変わりはしない。」

シャルルはあたしのこぼした涙を優しく拭き取り、溢れる想いを伝えるかのようにあたしに熱く唇を重ねた。



つづく

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みなさん、こんばんは!
ずいぶんと間が空いてしまってみなさんがお話を忘れてしまってないか不安でした。やっと二人が結ばれるところまで来ました