みなさん、こんばんは。
今回は前編・R後編に分けました。実は書いているうちにとても長くなってしまったんです。情熱を注いだようで恥ずかしい\(//∇//)\
限定公開にしたのは後編だけです。
もう少しハードでも大丈夫という方は後編R(後日公開)へお進み下さいませ。
******************
大はしゃぎで部屋を見て回る私の後をシャルルは付いて歩きながらソファの座り心地やらベットの固さ、素材なんかを丹念にチェックしていた。
どこに行ってもシャルルはいつもこれをするのよね。気に入った物でなければ落ち着かないってシャルルは言うんだけど私にはいまいち違いが分からない。
私が気になったのはここのベットも天蓋付きってこと。幾重にも重ねられた純白の布地と天井から真っ直ぐに舞い降りるレースに覆われた素敵なベット。きっと全てシャルルの趣味なんだわ。恐るべき唯美主義っ!
そんなシャルルが私と一緒にいてくれるのは何だかとっても不思議なんだけどね。
「マリナ、ウエルカムドリンクを用意させてあるからテラスに出ないか?」
ワインセラーから深海のような濃紺のボトルとグラスを手にしたシャルルが私を誘い出した。
「マリナそこに座って。」
テラスに出てみると眩しいばかりの陽の光がキラキラ光って乱反射しながら蒼い海を照らしている。
「これはクリュッグ・クロ・ダンボネ。シャンパーニュメーカーのヴィンテージでシャンパンの帝王と言われているものなんだ。」
グラスに注がれる黄金色の液体はきめ細やかな泡を抱きながらまるでグラスの中を舞っているようでとても綺麗だった。
「ねぇこれ、とっても高そうなシャンパンね。」
グラスを持ち色と香りを確認するかのようなシャルルの仕草はとても様になっていてカッコいい。
「そうでもないさ。50万程度だよ。
ただ限定物だから手に入れにくいらしいけどね。」
そう言って私にグラスを渡すと軽く重ね合わせた。
「二人だけの時間に…sante!(乾杯)」
亜熱帯の風が優しく流れていく中、冷たいシャンパンはとても気持ちよく私は一気に飲み干した。
「美味しいっ!」
私はボトルに手を伸ばしてグラスに注いだ。
「もっと味わって飲め。」
シャルルの冷やかな視線をかわしながら私は再び喉に流し込んだ。
「あとの楽しみがなくなるからほどほどにしておけよ。」
あとの楽しみって…。
「あはは…。」
私は苦笑いしながらふと思ったの。こういう事をサラッと言ってしまうところがフランス人よね…と。
「マリナは泳げないから海には入らないだろ?向こうにあるジャグジーに一緒に入ろうか?地平線の彼方まで見渡せる絶景なんだ。」
ジャグジーってお風呂よね?
一緒にって…まだこんなにお日様が高いのにシャルルと裸で入るなんて無理だわ。目のやり場に困るじゃない。じゃなくて恥ずかしいじゃない。
「まだ明るいわよ。それに…。」
シャルルは意味深な笑みを浮かべながら私の顔を覗き込むように身を乗り出して聞いてきた。
「恥ずかしい?」
「そ、そりゃ、そうよ。
私はここから眺める景色で十分よっ。」
照れる私の前でシャルルは立ち上がると有無も言わさずに私を抱き上げた。
「ちょっ、待ってよシャルルっ!」
「いいから、行くよ。」
シャルルは暴れる私をがっちり抑えてヴィラの中へと入り反対側にあるジャグジーへと向かった。
「これに着替えたらそこの扉から入るんだよ。オレは向こうで着替えてくる。」
渡されたのは胸に可愛らしいリボンの付いた真っ白な水着だった。
これを着て入ろうって事だったのね。
もう、シャルルったら!焦らせるんじゃないわよ。ドキドキしちゃったじゃない!だけど水着姿だって相当恥ずかしいわよ。当たり前だけど体にピッタリフィットだもん。
ジャグジーの扉をそっと開けて中を覗くとシャルルは海を眺めながら優雅にグラスを傾けていた。
「シャルル…あんまり見ないでね。」
「なぜ?」
そう言ってシャルルは振り返ったのよっっ!ひぇーっ!言ったとたんに見るんじゃないわよっ!
「いいからマリナ、こっちにおいで。フルーツを用意させてあるよ。」
フルーツ?!シャルルの傍にどーんと置いてあるのはマンゴーやパイナップル、メロンじゃないっ!
食べ物につられて恥じらいを忘れたわけじゃないのよ。でも目の前に美味しそうな物があるのに食べないわけにいかないわ。私はザブンとシャルルの隣に入ってトレーに乗せられたフルーツたちに手を伸ばそうとしたら隣からニョキッとシャルルの手が伸びてきてシャンパンを私にくれた。
「こういうのもいいだろ?」
目の前に広がる澄み切った蒼い海。どこまでも続く地平線。そしてフルーツとシャンパン。
「とっても素敵だわ。」
「ほら。」
シャルルにポンと口の中にメロンを放り込まれた。
「甘くて美味しい。」
「じゃ、オレも。」
そう言ってシャルルは私を自分の方に向かせると頬を傾けてキスをした。
「君もとても甘いよ。」
唇を離して妖しげな光を宿した青灰色の瞳で私を見つめる。
だめだわ…真面に見つめられるとシャルルにのまれてしまいそう。
「君に酔いそうだよ。」
シャルルはさりげなく私からグラスを取って側に置いた。私を後ろから抱くようにして耳元でそう囁いた。私は背中にシャルルの逞しい体を感じてドキドキが止まらない。
「マリナ…君とずっとこうしていたい。」
私も本当にこうしてずっとシャルルと一緒にいたいと思っている。こういう気持ちを私もちゃんと伝えなきゃだめよね。
シャルルを振り返りながら私も自分の想いを言葉にした。
「シャルル、私の事が好き?」
「ああ、とても。」
「私ね、あんたが私を思ってくれるよりもっとあんたを好きだと思うわ。
こんなに誰かを好きになったのは初めてよ。」
「マリナ……」
瞬間、私はシャルルから狂おしいほどのキスをもらった。
「オレは…もういつ死んでもいい…」
「ちょっと、死ぬなんてやめてよねっ!」
「そうだな。君を置いて行くには不安要素が多すぎる。」
「もう、どういう意味よっ!」
「他の男にはやらないって事さ。」
シャルルはそう言ってシュルっと水着の紐をほどいた。
「あっ、ちょっと何するのよ。」
私は慌てて水着を抑えようとしたけどそれよりも早くシャルルに水着を取られてしまった。
つづく
******************
これからってとこで、つづくです(^_^;)