きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

愛はそこにある…je crois 35

私は髪を撫でられているのを感じて目を覚ました。シャルルは肘枕をして私を見下ろしていた。
私と目が合うと愛おしそうに言った。

「マリナ…ごめん。無理をさせた。
君の事になるとダメなんだ。ずっとオレの側において誰にも触れさせたくないぐらいだ。」

シャルルが額に唇を寄せるしぐさに私は身を強張らせた。さっきもこれで始まったんだもの。
シャルルがクスッと笑って、

「今夜はもう何もしないよ。」

シャルルは満足そうに私の髪を撫でている。頬にかかる私の髪を耳にかけた。
シャルルの繊細な手の動きに私はドキドキしてきた。
頬を伝い、私の唇をなぞり触れる指…。
私を捉えた青灰色の目に再び熱い想いが燃え上がるようだった。





「シャルル…?そんなに見られていたら気になって眠れないわ。」









「アイツにキスをされた君が悪い。」


シャルルの唇が再び重ねられた。
激しく強く…
シャルルの嫉妬が私を蕩けさせていく。
忘れてしまえと言わんばかりに上書きされるように…。















私たちはクレアシオン=レガリアと共にパリへ戻ってきた。
数週間ぶりのパリは冷たい空気に包まれていた。パリを発つ時に何度も何度も振り返ったアルディ家のお屋敷が近づいて来ると胸に熱いものがこみ上げてくる。
二度と戻れないと思ってこの場所を離れた時の事を思い出していた。
門をくぐり正面玄関に車が着けられた。
車から降りてお屋敷を見上げる私の肩をシャルルはそっと抱き寄せた。


「マリナ、おかえり。
オレの許可がなければ、二度とこの屋敷からは出さないからね。
それからキミ用の首輪も用意させてある…。きっと似合うはずだよ。」



ギョッとして振り仰ぐとシャルルがニヤッと笑っていた。


「…というのは冗談だが…
本音はそれぐらいさせて貰いたほどだよ、マリナちゃん。」

シャルルの為だと思って選んだ道は決してシャルルの望む道ではなかった事。

今なら分かる。

そして、私は密かに思う。

私がこのお屋敷を去る時は人生を終える時だと心に誓った。




お屋敷の再奥にあるシャルルの居室。
ここは記憶が戻ってからはシャルルと私の部屋となっていた。
久しぶりの二人の部屋。
私は伸びをしながら深呼吸した。
シャルルの香りでいっぱい。
そんな事を考えている自分が少し恥ずかしくなって頬が熱くなった。
森林浴じゃあるまいし、シャルルに知れたら絶対に笑われるわ。


「マリナ、顔が赤いけど風邪か?
ちょっとそこに座って。」


私をソファに座らせるとシャルルは私の前に立ち、私の耳の下あたりに手を差し入れた。ゾクッとする感覚に私は首を竦めた。
お医者さんのシャルルでも手で体温を確認したりするんだ…。そんな感覚だけの物を信じそうにないから意外だなって思った。けどシャルルなら手だけで体温測れるのかもしれないわね。
それからフワッと私を囲むように両手を私の後ろへと回した。
何だろう?


「熱はないみたいだな。部屋が暑いのか?この部屋は全館空調システムとは別に設定してあるはずだが…」


「全然、暑くないから大丈夫よ。
歩いたからかもしれない。」

これ以上この話題に触れていたくないわ。とにかく話を変えなきゃと思って立ち上がろうとしたら胸元で何かが動く気配がした。
とっさに視線を落とすと白いペンダントがゆらゆらと揺れていた。
私を見ていたシャルルがペンダントヘッドを手にして私に見える位置に持ち上げた。

「天然ホワイトパールシェルをバラの形に彫らせたんだ。
パールは苦しみを和らげ、困難を克服する力を与えてくれると言われている。
マリナにきっと勇気を与えてくれるはずだ。どんな時でもだよ。
これが君へのXmasプレゼント第三弾ってわけさ。」

シャルルの手からパールを受け取り、その美しく咲く薔薇の形に見惚れてしまう。

「とっても綺麗ね。ありがとうシャルル。私ばっかりプレゼントを貰っちゃったけど私はあんたにあげる物が何もない…。」


私は何にもあげる物もないし、お金もない。ましてやシャルルの気に入りそうな物なんて買ったりできない。


「だけど、あんたを幸せにしてみせるわ。私と一緒に年をとって、いつか人生を終える。その時まで私はシャルルから離れたりしない。これが私からのブレゼントよ。」




「君の一生をオレにくれるんだ。それだけで十分すぎるほどだ。
あぁマリナ、幸せにするよ。絶対にだ。これからもずっと…永遠に。」




熱い体が夜に溶けていく…。







つづく


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みなさま、おはようございます

久しぶりの更新になりました。待っていてくれた方お待たせしました。
今週はいよいよシャルル週間ですね
仕事も減らしました(笑)
再発してから初のバースデー
何をしよう、何をしよう…とワクワクしていたのが、次第に焦りに…
幸せいっぱいの話が書けない…(T_T) シャルルの誕生日って事へのプレッシャーですね…(-。-;
いくつか書いてるけどちょっと暗い
可哀想…どれも相応しくないんですよね(・_・;

それでも時間はたくさんあるので何か形に出来たらアップしたいと思います