きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

特別な存在②中編

2日寝ていたら熱も下がって私はすっかり治っていた。
仕事が早く終わりそうだから夕食は一緒に取ろうとシャルルから連絡があった。
私の食欲もすっかり回復し、今夜は久しぶりにシャルルと夕食だわ。

私が寝込んでる間、シャルルも忙しかったみたいで最初のあの時だけであとは私が寝入ってる深夜に少しだけ様子を見にだけ寄っていたらしいんだけど直接話したり出来ないでいた。

辺りが薄暗くなる頃、邸内が慌しいのでシャルルが帰ってきたみたいだった。ジルを始めとして執事や主な使用人は出迎えの為に正面玄関へと向かうから帰ってくるとすぐに分かるわ。
私は急いでピンクのワンピースに着替えるとシャルルの部屋へと向かう。

扉をノックすると「どうぞ」と声がして私は中へ進むと白金の髪を揺らして振り向いたシャルルは輝いていて私はドキドキしてしまった。

「シャルルおかえりなさい。
なんだか久しぶりに会うみたいだわ。」

私が言うとシャルルは私の腕を引き寄せ息も出来ないほど強く抱きしめた。
私の顎を掴み上向かせると天使のようなカーブを描いた頬を傾け唇を重ねた。
始めは触れるだけの優しいキス。そして蕩けてしまうほど、熱く激しく私の唇を奪う。とても情熱的なキスを繰り返し私は立っていられなくなりシャルルにしがみつく。甘い吐息がもれる…。

ふと、シャルルが唇を離す。
「自分が抑えられなくなる。もう止められなくなりそうだ…。」そう言うと腕の力を緩めて私を解放した。

「今夜は手加減してあげられなさそうだから覚悟しておくんだよ。さぁ食堂へ行こうかマリナ。」

きゃー!夕食が終わったら私たちど、ど、どうなっちゃうの?!
少しは手加減してもらわないとっっ!
私は赤くなったり青くなったりしながら食堂へと向かったがシャルルの言葉に動揺しすぎて夕食を楽しむ事ができず、味もあまり覚えていない。
わーんっ!もったいなーい!




夕食を済ませてシャルルの部屋へ戻るとシャルルが白ワインを用意してくれて大きなソファに並んで座り二人で快気祝の乾杯をする。

私は久しぶりのアルコールに歓喜し、一気に飲み干すと、おかわりして再び飲み干す。ボトルを握った手をシャルルに掴まれグラスを取り上げられてしまう。

「ワインはそんな風に飲むもんじゃないぜ。治ったばかりで無茶しないでくれ」

青に近い灰色の瞳でやるせなさそうに私を見つめる。私は目を逸らす事が出来ないでいるとシャルルが言葉を続ける…


「マリナ、もっとオレを頼ってくれ。あの時オレは熱発した事を怒ったわけではない。君がオレに何も言わない事に怒ったんだ。」

あっ!熱を出して、怒りながら無言で注射された時の事だ!
迷惑掛けたから怒ったと思っていたけど違ったんだ……。
そうだ。私はシャルルが仕事中だから何も言わなかった。
あとで聞いたらナタリーは慌てて執事に私の様子を報告し、執事からジルへ一報が入ったらしい。その時ジルはシャルルの執務室で補佐をしていた為、当然シャルルもその事を耳にし、仕事を中断して私の所へ駆け付けたんだって。ごめんなさい。
執事が当主であるシャルルに一報を直接するのは躊躇いがあったようでジルに委ねたんだって。話が大きくなっていたのね……。


「この世で君だけが、オレを自由に使える事を許された唯一の人間だとまだ理解していないのか?
熱っぽいから診て欲しいと何故言わなかった?オレが診れなければ代わりを向かわせる事も出来る。マリナ、心から愛してる。だから君の全部をオレに教えてほしい。どんなに小さな変化でも。いつも君の事が心配で仕方ないんだよ。」

シャルルが怯えてるように見えた。自分が居ないところで私に何かがあったら…と、シャルルの心が震えているのが伝わってきて私は後悔した。


「ごめんね。頼らなかった事が余計に心配させてしまう事になっちゃった。辛い時は助けてってちゃんと言うことにするわ。」

シャルルは安心したようで、急に悪戯っ子のような表情を浮かべて「では今回の事を償ってもらおうか?さぁシャワーをしておいで。オレは隣のバスを使う。オレは別に君がシャワーをしなくても気にしないが。」

いやーっっ!私が気にするのよ!
私は一目散にバスルームへ駆け込んだ。





つづく