きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

愛はそこにある…je crois 23

 
羽田を発ち、しばらくしてジルからホットラインが入った。

「シャルルとモンドフォール家令嬢との縁談が密かに進んでいます。
先方としてはアルディ家からの申し出を断る事は出来なかったと思われます。

2人の婚約によって交渉は再開され事実上クレアシオン=レガリアは無事にアルディに回収されるという事のようです。」


「勝手なことをっ!手段は選ばないと言うことかっ!
夕方にはパリに戻る。ヒビキヤの移送が完了したらすぐにイギリスへ向かう。」



オレの前方の席に座っていたガイがこちらへ歩いてきた。

「聞いておきたい事があるんだけど、少しいい?」

ガイはオレから何を聞き出しそうと言うのか。

「なんだ?」

「マリナと日本に来てから喧嘩をしたか教えてほしい。」


「なぜオレ達が喧嘩したか知りたいんだ?マリナがそう言ってたのか?」

ガイのこの様子からするとマリナはガイに嘘を言ったはずだ。
だが実際オレとマリナは喧嘩などしたこともない。

なぜマリナはそんなウソを…。

「マリナと喧嘩はしてない。パリにいる頃も日本に行ってからも一度もない。」


マリナはオレの縁談話を耳にしたせいで様子がおかしかったのか…。
でもどこで知ったんだ?


「日本にいる時、1人で泣いていたんだ。オレは何度も見かけた。その時にマリナが喧嘩したって言ったんだ。
だから許せなかった。
マリナを泣かせてるあなたが許せなかった。」

日本を経つ時もマリナは確かに泣いていた。オレのいない所で泣いていたのか。
マリナを1人で泣かせていた自分が悔しい。むしろもっと早く気づいてやれたらと悔やまれる。

「オレの縁談を耳にしたようだ。
家同士の政略結婚だ。」

ここまで話せばガイにも話が見えてきたようだな。
さて、どうするか…。


アルディ家が選んだ家柄がなぜイギリス伯爵家なのか。なぜフランス国内で探さなかったのか。
これはもう家宝を回収の為だけにアルディが動いているのは確かだ。




コンテナをアルディ家に持ち込むと準備させてあったICUにヒビキヤを移した。
長旅にも耐えてここまで問題もなくたどり着けたのも、この人の意志なのかもしれない。
何も語らず去る運命だった彼。

目を覚まし再びカオルと向き合う事をこの人は望んでいるのだろうか…。


機器を接続しながらヒビキヤの状態を確認する。バイタルは安定している。
移送の影響はなさそうだが、あと数時間は油断出来ないな。
専属医長のアベルに引き継ぎをし、オレはイギリスへ向かう準備を始める。
パリからヒースロー空港までは1時間もあれば着くはずだ。

ガイは急いでいたのかアルディに着いてまもなくロンドンへと帰っていった。
今だにマリナを想っているのが分かった。だがオレの嫉妬心を駆り立てるだけだ。できればこのままマリナとは2度と会わせたくないほどだ。






執務室で留守にしていた間のPCをチェックをする。ざっと目を通して行くと、大野院長からのメールが入っていた。
ヒビキヤの消極的な治療及び機器停止の原因解明など何一つとして役に立てなかった自分を悔いる内容のものだった。

「…そして医師として人命救助の原点を思い出す経験をさせて頂きました。医者は患者を選んではならない。
その事をいつの間にか忘れてしまっていた。彼の1日も早い根治を期待しております。」


彼もまた十字架を背負ってしまったのかもしれない…。







扉をノックしてジルが入ってきた。

「ジルです、失礼します。
ヒースロー空港へのフライト許可が下り2時間後には出発できます。
それからモンドフォール家との話し合いは調整してあります。」


「ジル、君も同行してくれ。
それからクレールと周辺の人間についてもっと詳しく知りたい。報告は機内で受ける。」


モンドフォール家は交渉の延期を申し込んだ際は拒否してきた。
だが、今回の話し合いには応じた。
どういう事だ…?





つづく


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みなさま、こんばんは!
今年もあと数時間で終わりですね。
年を重ねる毎に1年があっと言う間に感じられます。ついこの前まで暑かったのに…みたいな(笑)

今年は中毒が再発し、こうして創作を書いて常にシャルルの事を考える毎日✨となりました。
こんなに誰か (誰かって…シャルルですがw)の事ばかり考えて過ごす日々が大人になって来るとは思ってもいませんでした😄💦

これも私の拙い文章にお付き合いしてくださるみなさんのおかげです。いつも読んで頂いてありがとうございます😊
読んで貰える事が何よりの励みです。
元旦も関係なく仕事が入っていて更新速度は緩やかですが待っていて下さい🌟

最後になりましたが、みなさん良いお年をお迎え下さい✨       きらより