「だめだっ‼︎」
仕事を済ませ部屋へ戻ってきたシャルルはネクタイを緩めながらソファへ座ると私に冷たく言った。
私はシャルルの帰りを待って今日一日の出来事を話しながら、さりげなくメトロの事も言ってみたんだけど取りつく島もない。
「あ、あのね…だってカフェでお茶したり、お話したり、友達が出来たらしたいじゃない?」
シャルルはソファから立ち上がると無言でバスルームへと行ってしまった…。
怒らせちゃった…‼︎
私は1人リビングに取り残されてた。
どーしようっ‼︎
部屋の中をぐるぐると回って私はとにかくシャルルの機嫌を戻す方法をあれこれ考えていたが、思い浮かぶ前にシャルルは現れた。
白金の髪はまだ濡れたままでバスローブから覗く肌は雪のように白かった。
何度見てもドキドキするわっ!
シャルルはワインセラーからワインを取り出すとグラスを片手に再びソファへと腰を下ろした。
「マリナ、こっちへ…」
シャルルは自分の隣に私を呼んだ。
話が出来そうな雰囲気に私は緊張しながらソファへと座るとワインを二つのグラスに注ぎ私にそのうちの一つを渡す。
私は緊張のあまりグラスを受け取るとワインを一気に飲み干した。
うぅ…だって空気が重いのよっっ!
ワインだって一気に飲みたくなるわっ!
私は思わず、おかわりをしようとワインに手を伸ばすとシャルルに睨まれたのっ!
逃げてしまいたい。
今日は諦めて自分の部屋に帰った方が良さそうね。次の学校まではまだあるし、大人しく引きあげる事にしよう。
「今日はもう部屋に戻って休むね!」って言いながらソファから離れようと立ち上がった瞬間に腕を掴まれ抱き寄せられた。
「シャル、ル…?」