「シャル、ル…?」
腕を掴まれ抱き寄せられたもんだから私はシャルルの膝の上に乗ってしまう形になったまま逞しい胸に収まってしまった。
いきなりの急接近に私はドキドキが止まらないっ!
さっきまで不機嫌だったシャルルがなんで私を抱きしめているのよーっ?
シャルルは腕を緩めると青灰色の瞳に嫉妬の炎と哀しみの色を落としながら私の唇に自分の唇を重ねた。短いキスを何度も重ねながら
「オレが君の外出を認めたのは語学習得のためだったよね?
やけに帰りの事ばかり気にしてるようだが…」
「そ、それは…せっかくだっ…」
シャルルは激しく唇を重ねてきて、私の言葉を奪った。手のひらでシャルルの逞しい胸を押して離れようとしてもびくともしない。更に片腕で私の腰を固定し、反対の腕で私の後頭部を押さえて私は身動きがとれない。
そして唇を放すと苦しそうな顔で私を見つめて、
「いやなんだっ!君に何かあったら…?と考えるだけで不安なんだ。
パリは決して安全とは言えないからね。
それなのに君は…。」
私は自分の事ばっかり考えていた事に気が付いた。もちろんフランス語を覚えたいって1番の理由だったけど、自由にパリの街を歩けるっ!ってそればかりだったのも事実なのよね。
そんな私をずっと見ていてシャルルは、私の思惑にもきっと気付いてたのね。それでも私を優先してくれた。私は焦って謝罪の言葉を言った。
「ごめん。私は自分の事ばっかでシャルルが心配して不安になってる事まで考えてなかった。ごめん、本当にご…。」
腰を押さえていた腕に力が入り、そのまま私はソファへ押し倒され、シャルルは唇を重ねてきた。それは深くとても情熱的なキスで私は身動きもとれず、ただ受け止めていた。
「っんふ…!ん…」
息が苦しくなってくる…。