きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

新生活6

シャルルは身を起こしながら不敵な笑みを浮かべて私を見下ろす。


えっ………?



「オレを不安にさせた罰だよ。
これぐらいさせてもらわないとね。」

へっ?

「本来なら君が学校へ通う条件はジルに指示してあった。手続きと同時に進めていたんだ。オレの作ったブレス(GPS)に記録用レコーダーを内蔵させてオレのPCへ随時情報を送れるように改良してあったんだ。それを付けさせアルディの門を出た瞬間からSPを3名の警護と監視下に君を置き、ここへ戻るまで10分毎の君の行動の報告をさせる予定でいたんだ。

学校関係者もアルディ家から人事へ要請をし、すでにスタッフは全員、女性にしておいたんだ。」

どうりで女性しかいなかったわけね。

「さすがに生徒までは制限しなかったが…。万が一君に近づく男がいたら、あらゆる手段を使って国外退去させる事も視野に入れ政府に了承させる準備もしていたんだ。」



国外退去…? 仲良くしたら…?
私は空いた口が塞がらない…

SP3人って…!
あのいつもシャルルの周りで警護してる黒スーツたちよね?
そもそも3人もそんなのが彷徨いてたら友達だって近付いてきやしないじゃない。
きっと黒スーツたちは私に近づく人間に敏感に反応し迷惑そうに事の成り行きを見ることになるんだろうし。



私は午後の暖かい日差しの中、オープンカフェでたくさんのケーキに囲まれながら紅茶を飲んでいる自分が、黒スーツSP3人に囲まれている所を想像し、ゾッとしてしまった。うぅぅ…楽しくなさそう…。

「たが、君がオレのフランス語を理解したいって気持ちを尊重したのと、あまりの警護体制に呆れたジルに説得され、今回のマティスの運転の送迎と君の着けている時計型GPSのみでオレは手を打ったんだ。」


私はシャルルの独占欲と嫉妬心を改めて理解した。そしてシャルルの想いの強さを感じたの。いつも私の事を一番に何よりも優先してくれた。そんなシャルルに不安を与えていたんだと痛感した。
私はシャルルの事を抱きしめながら


「ねぇシャルル、学校はやっぱりやめておこうかな。でもフランス語は…。」

「シャワーをしておいて。
それならこれからはオレがフランス語を教えてあげるよ。」


今回のパリ散策は夢に終わったけど、私はシャルルの想いを改めて感じたような気がした。


「Je suis heureux avec toi…。」

ーー君といると幸せだーー

fin