きらのブログ

まんが家マリナシリーズの二次創作サイトです。

特別な存在 ②前編

目が覚めてベットから降り立った瞬間に足元がフワッとして頼りなさを感じる。
一歩一歩踏み出すが、雲の上を歩いてるみたいにフワッフワッとした感覚。

熱があるんだわ。体中からギシギシ音がしてるような痛みと怠さもあるし。

頼りない足取りでリビングまでミネラルウォーターを取りに行くとグラスに注いで一口飲む。冷たくて美味しい。熱のせいか涙が出てくる。今日は一日中寝てるようだわ…。
シャルルに内線電話するのも仕事してそうだし、気が引けた。まぁ寝てれば良くなるわよ!


ベットに戻り横になり、なかなか寝付けないでいると、コンコンッと扉をノックする音が聞こえるてきて小さな声で返事をしたが声は届いてないみたい。返事がないので寝ていると思ったのね。それ以上はノックされなかった。そんな事を思ってるうちにウトウトと寝てしまっていた。




コンコンッ。コンコンッ。
扉をノックする音で目が覚めた。いつの間にか寝ていたのね。
誰かが隣のリビングに入ってきたみたい。
さらに寝室の扉をノックしてきた。
ぼーっとしていると、「マリナ様、失礼致します。」と言いながらナタリーが入ってきた。
お昼近くになっても起きてこないので様子を見にきたらしい。

「マリナ様、そろそろ起きますか?」と声を掛けてくれるが私がぼーっとしているので異変に気付いたみたい。

「少し待っていて下さい。今誰かを呼んで参ります。」
そう言って慌てて部屋を出て行った。


なかなか誰も来てくれないし、喉も渇いたのでよっこらしょと体を起こしてミネラルウォーターを取りに行った。

そこにノックもなく扉が開き白金の髪を揺らしながらシャルルが入ってきた。
「マリナ大丈夫か?様子がおかしいと聞いたが…」スタスタと長い足で私に近付き様子を見て私の頬に触れると長いまつ毛を伏せてため息をつく。

「具合が悪い時は内線で誰かを呼ぶぐらい出来ないのか?なんで水をフラフラと取りに来ているんだ!動き回ると治りが遅くなるだけだ。」

シャルルは少し怒ってるみたいだったけど私を抱き上げると寝室まで運びベットに寝かせてくれた。
凍りそうな視線で私を見ると、バックから注射器を出し薬液を注入して私の腕をとり針を刺す。

…無言でされると凄く怖いっ!

脱脂綿で抑える手が痛い。
熱を出したからシャルルは怒ってるんだ…。謝らなきゃっ!私は掠れた声で

「あのね、シャルル…私、熱なんて…出してごめんなさい。わざわざ来てくれてありがとう…。迷惑…かけちゃっ…」

私の言葉は唇で塞がれた。とても情熱的なキス。熱で浮かされているのか、そうでないのか分からなくなる。

唇を離すと頬をに手を優しく添えて
「薬を用意しておくからちゃんと飲むんだよ。オレが調合した薬だからすぐに治るよ。」そういって部屋を後にした。

怒ってたけど素直に謝ったのが良かったみたいね。許してくれたみたいで私は安心してナタリーが用意してくれたお粥を完食し、薬を飲んで眠りについた。




つづく