私は執務室のドアを勢いよく開けると振り返る2人に向かって言った。
「まだ仕事してる!ちょっとあんた達、まさか私との約束忘れているんじゃないっ?!仕事ばかりしてるからボケたんじゃないの?」
だいたい寝る時間もあるんだか、ないんだか分からな程に仕事ばっかりしている双子達をリフレッシュさせたくて連れ出そうと今日は前々から約束していたのよ。
それなのに2人ときたら、すっかり忘れてるなんてヒドイじゃない。
私は頬をパンパンに膨らませているとシャルルが一言。
「オレ達は君の望み通り、明日、君と過ごせるように明日の仕事も片付けている所だ。君との約束は明日だからな。何か文句はあるかっ?!」
「オレ達は睡眠時間を削って君との外出を計画していたんだが、どうやらオレ達が間違えてるらしいぜ?」
ミシェルは私の方をチラッと見るとシャルルに呆れた顔をみせた。
うぅ…もしかして今日って日曜日?
あれ?月曜日じゃなかったのっ!?
「あはは…勘違いしてたみたいだわ!
おほほ…じゃあ明日が楽しみね!
2人ともしっかり仕事するのよっ!」
私は一目散にドアまで走り出そうと振り返ったもののドアノブを掴む事が出来なかった。
腕を掴まれて目の前にはシャルル、後ろにはミシェル…。
2人に挟まれてしまって逃げ場を失ってしまった。
「オレ達がボケたって言ってたぜ」
バリトンが後ろから響き渡る…。
「あぁ、仕事のし過ぎだってさ」
テノールも上から降り注ぐ…。
何、この空気…。
天使も驚く不敵な笑みを浮かべて私を眺め降ろすシャルルとミシェルの眼差しに
動く事も出来ず、ただ時間だけが流れていく。
「今日の仕事はここまでだ。
さて、オレ達をボケたって言った事について償ってもらおうか?」
シャルルが私の顎に手を伸ばして上向かせながら、青に近い灰色の瞳にキラリと鋭い光を放つと頬を傾けて唇を重ねる。
そっと唇を離すと今度は後ろから肩を掴まれ振り向かされてしまう。
目の前にはミシェルの魅惑的な瞳が煌めいていた。
「オレ達に間違いなんてあり得ない。
まだ解ってないようだね。」
そう言うと私の両頬を繊細な手で挟み込み頬を傾けて形の良い唇を私に重ねてきた。
シャルルのキスの後にミシェルにまで。
次々と2人の甘い口づけをまともにくらって私はすっかり酔わされてしまう。
立っていられなくなる私をシャルルは腰に腕を回し抱き上げると奥の部屋へと運んで行った。
そこは仮眠が出来るようにとベッドが置かれているんだけど、とても仮眠用とは思えないほどのキングサイズ!
当主の仮眠って豪華なのね。
ってそんな事よりも、この妖しい雰囲気に恐る恐る聞いてみた。
「2人はこれから昼寝かしら?
それなら私はお茶でもしてこようかな」
そっと体を起こしてベッドから降りようとした私に双子たちは甘く囁いたのよ。
「これから3人で甘い夢の世界へ行くんだよ。禁断の果実を共に…。」
双子達の繰り出す甘美な世界へ、
私は手を引かれー
禁断の果実をー 君と…。
fin
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みなさま、こんにちは♪
三連休ですね(*^_^*)いかがお過ごしでしょうか?私は今日だけが唯一の休みの為にやらなきゃいけない事をさっさと済ませて…と思いつつ妄想を始めてしまい、気付いたらもうお昼すぎっ!!
すでに半分終わってしまいました(>_<)
今回の話はかなり番外編なので細かい3人の関係は突っ込まないで下さいね☆
まさに両手に花。いや、薔薇かな(笑)