「来週には……まと……マリナ?」
「あっ…ごめんっ。…なに?」
話し掛けられてハッとする。
シャルルの仕事も終わっていつものように2人でディナーなんだけど、何だろう…?ボーッとするような…せっかくのディナーの味もよく分からないのよね。
今日はやけに薄味…?シェフが間違えちゃったとか?
シャルルは食事中に席を立つことなんて滅多にないのに私の席まで近づき、その手を私の額にあててきたの。
「マリナ、部屋へ戻るぞ」
「……?」
急にどうしたんだろう?
シャルルはボーッとしている私の背中に手をあて、片方の腕を膝の裏へさっと入れると私を抱き上げた。
「昼間は何ともなかったのかい?マリナちゃん。こんなになるまで気付かないとは…。」
ため息を付きながら私を寝室まで運ぶと
ベッドに寝かせてくれた。青灰色の瞳で私を観察し始める。頬にそっとシャルルの手が伸びる。
「マリナちゃん、熱が少しある。
息苦しいとかはない?」
私は首を振った。抱かれて運ばれたからドキドキしてきてきっと熱いんだわ。
シャルルは自室から持ってきた医療バックを開け聴診器を手に取り私にあてる。
「ただの風邪のようだね。大人しく寝れいればすぐに良くなるよ。」
優しくそう言うと薬を取り出し飲ませてくれた…
自分の口に水と薬を含み、そっと私の唇に重ねる。冷たい水とカプセルが流れてきてゴクンと飲み下した。
キャー\(//∇//)//なんて飲ませ方するのよーっっ
ますます熱が上がりそうな私に
「早く治さないと、まとまった休みがとれたのに看病で終わっちまうぞ。
ロワールでワインと君も興味がありそうな古城を見に行こうか…と考えていたんだけどね」
「治します! 来週までには絶対にっっ!
ワイン楽しみだわー!」
「もし治らなかったらオレの特別治療でどうにかしてやるよ。これは君だけにしかしない治療だよ。」
一体どんな治療法だって言うのよー!
fin